学芸員
学芸員資格を持った専門職員として、博物館や美術館などで、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学についての資料を収集、保管、展示するとともに関係する調査研究を行う。
仕事内容
様々な資料(実物、標本、模写、模型、文献、図表、写真、映像など)を収集し、整理・保存する。資料について専門的な調査研究を行い、解説や目録を作成して展示する。文化財の発掘・調査・研究、動植物の収集など、野外で調査研究活動を行うこともある。調査・分析を通じて発見した新事実などを学会・学術雑誌・出版物などで発表する。
また、常設展示の他にも特別展示、講演会、講座などのテーマを企画、実施する。更に必要な資料や展示物のリストを作成し、館内にない資料や展示物を他の博物館等と交渉して借用し、場合によっては購入することもある。展示物のレイアウト、装飾を指示して会場を設営するほか特別展示に関するポスターを作製したり、インターネットによる情報提供などの広報活動を行う。展示期間中には、利用者サービスの一環として解説等を行うこともある。生涯学習への関心の高まりから、市民のニーズに合う展示の企画など、学芸員の役割は重要になっている。
なお、博物館法上の博物館に該当しない施設では、教員・研究員や専門職員がその職務の一部として学芸員相当の職務を担当している。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
主なタスク
- 資料について専門的な調査研究を行う。(実施率 1%)
- 様々な資料を収集し、整理・保存する。(実施率 1%)
- 特別展示、講演会、講座などのテーマを企画し、必要な資料や展示物のリストを作成する。(実施率 1%)
- 文化財の発掘・調査・研究、動植物収集など、野外での調査研究活動を行う。(実施率 1%)
- 集めた資料の目録を作り、解説をつけて展示する。(実施率 1%)
- 収蔵資料の保存修理をする。(実施率 1%)
- 展示物の並べ方や飾り付けを企画して指示し、会場を設営する。(実施率 1%)
- 特別展示に関するポスターや解説書を作成するなど、広報活動を行う。(実施率 1%)
- 調査や研究の結果を学会や学術雑誌で発表する。(実施率 1%)
- 展示期間中、一般閲覧者への質問に応対し、解説をする。(実施率 1%)
- 職員やスタッフを採用し、指導・育成を行う。(実施率 1%)
- 館内にない資料や展示物を探し、借り入れ、購入する。(実施率 1%)
雇用形態(働いている人の割合)
労働条件の特徴
労働条件は、公立博物館の場合は公務員の規定による。一般的に、日曜日と祝日は開館する博物館が多いため、その翌日を休日とすることが多い。専門的職業のため、研究に打ち込む人が多いのも特徴である。
博物館の学芸員は5,581人、博物館類似施設の学芸員は3,817人。これらは年々増加を続けており、過去最多となっている。就業者のうち、専任の学芸員は女性が45%となっている(2021年時点*)。最近では、大学で学芸員の資格を取得できる講座が増え、有資格者数は増え続けている。しかし、博物館の数と欠員募集数が有資格者数に見合うほどはないのが実情で、採用は狭き門である。大学院へ進学して自分の専門分野を確立し、研究業績を認められなければ入職は難しいといえる。
*文部科学省 令和3年度社会教育調査(博物館調査)
学芸員の年収
学芸員の平均年収は583万円(令和7年賃金構造基本統計調査「他に分類されない専門的職業従事者」・全国)。中央値の目安は542万円、年収レンジは393〜1,011万円、上位10%は868万円です。
あなたの年収は、同じ年代の学芸員の中で上位何%?
入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。
学芸員の時給2,876円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.4倍です。都道府県別の最低賃金 →
年代別の年収推定
平均年収と平均年齢(41.7歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。
経験年数別の年収推定
雇用形態別の年収推定
年収の推移(統計の年ごと)
| 調査年 | 年収 | 就業者数 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 584万円 | — | — | — |
| 2022年 | 580万円 | — | — | — |
| 2023年 | 551万円 | — | 0.92倍 | 23.8万円 |
| 2024年 | 591万円 | — | 0.81倍 | 24.5万円 |
| 2025年 | 583万円 | — | 0.77倍 | 25.7万円 |
学芸員の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定
現在583万円 → 3年後 621万円 → 5年後 647万円 → 10年後 718万円(10年後の予想レンジ 617〜834万円)。年率の伸びは+2.1%と見ています。
年率の伸びの内訳
将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →
学芸員の将来性スコア
各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。
学芸員のAI代替リスク
AIによる仕事内容の変化
解説は準備中です。
AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →
学芸員の求人需要
有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。
アメリカでは:学芸員(キュレーター)の年収・将来性
学芸員に当たるアメリカの職業「学芸員(キュレーター)」(米国の職業分類 25-4012)の年収の中央値は約997万円($63,420・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収583万円の1.7倍です。
| 日本:学芸員 | アメリカ:学芸員(キュレーター) | |
|---|---|---|
| 年収(日本=平均・米国=中央値) | 583万円 | 997万円 $63,420 |
| 上位10% | 868万円 | 1,685万円 $107,140 |
| 10年後の予想年収 | 718万円 | 1,343万円 $85,400 |
| 将来性スコア | 51 | 66 |
| AI代替リスク | 69% 高い | 51% 中程度 |
| 求人需要 | 求人倍率 0.77倍 | 雇用の増減予測 +4.9% 2025–35・BLS |
| 就業者数 | — | 1.2万人 |
| 時給(平均) | 2,876円 最低賃金の2.4倍 | 5,346円 $34.00 連邦最低賃金の4.7倍 |
| 最低賃金 | 1,177円 全国加重平均・2026年度 | 1,140円 連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり |
| 入職に必要な学歴(米国) | — | 修士号(大学院卒) |
米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→
世界では:技術者・准専門職の平均月収を国別に比べる
学芸員は国際標準職業分類で「技術者・准専門職」に入ります。132か国・地域の技術者・准専門職の平均月収を円に直すと、日本は月39.2万円で33位、1位はルクセンブルクの月150万円です。アメリカは月102万円で日本の2.6倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は29位です。
「技術者・准専門職」全体の平均で、学芸員だけの値ではありません(医療技術者(臨床検査技師・放射線技師など)、技術者の補助、営業職、不動産仲介、パイロット・航海士など。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は49.1万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。技術者・准専門職の世界ランキングを全部見る →
学芸員に必要なスキル・資格
必要スキル
job tag のスキルのレベル(就業者の調査)。
必要な知識
仕事の中身(よく行う活動)
必要資格
job tag の「関連資格」。必須の資格か推奨の資格かは「就くには」の文で確かめてください。
学歴(働いている人の割合)
入職前の訓練期間
入職前の実務経験
なる難しさ:★★★★★ 難しい(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)
学芸員になるには(未経験からの方法)
就くには(job tag)
資格を取得した上で、博物館等に任用されることで学芸員になることができる。
入職に際しては、公務員等として採用される方法と私立博物館などに就職する方法がある。公務員の場合、自治体の採用試験に合格する必要があるが、最初から学芸員として採用される場合と、事務職員・技術職員から任用される場合がある。私立博物館では、学芸員の有資格者の中から研究業績を認められて採用される場合が多い。
入職後のキャリアについては、主任学芸員や博物館長など学芸員分野での昇進の道がある他、社会教育行政に携わって行政職員としての昇進の道を進む場合もあり、それぞれの自治体で学芸員がどのように位置づけられているか、という点と本人の意思によって決まる。
この職業においては、自分の専門領域に関する研究能力が必要である。更に、自分の専門領域を一般市民や学生へわかりやすく説明する能力も求められる。
学芸員のキャリアルートと年収アップ方法
解説は準備中です。