声優
アニメやゲームの声、外国映画・ドラマの吹き替え、朗読、ナレーションなど、声による演技を行う。
仕事内容
アニメ作品の場合は、あらかじめ台本や原作をもとに演じる役について研究し、収録当日は、監督や音響監督をはじめとする制作スタッフと意見交換をして声のイメージを調整する。リハーサル段階では共演者とともに本番時と同様のアフレコをする中で完成度を高め、担当する役柄を作り上げる。本番の収録では、マイクの前で画面の映像やタイムコード、ボールドを見ながら、登場人物の動きなど演出に応じた自然な流れでまるで登場人物が話しているように、声による演技を行う。
吹き替えの場合は、すでに完成している映像作品に日本語のセリフを入れていくことになるので、事前に作品の映像が貸与される場合には、台本のセリフを合わせられるよう繰り返し練習し、スタジオでの収録に臨む。
ゲームの場合は、個々のキャラクターごとにまとめて収録されることが多いので、制作側の指示のもとに場面に応じたセリフを集中的に収録していく。
ドキュメンタリーや報道番組などのナレーションの場合は、台本や原稿などから内容を理解し、放送前の準備を行う。特にナレーションの場合はほとんどの場合スタジオで原稿を渡されるため、初見で原稿を読める“瞬発力”が求められる。放送や録音の本番では、それぞれの番組に合わせ、聞きやすく正確な発声で語りを行う。
声優の活動としては、出演するアニメやゲームのプロモーション、トークショーなど関連するイベントや企画への参加も重要であり、いわゆる“顔出し”による参加も一般的になっている。テレビ放送や作品の公開、ゲームのリリース等の時期に合わせ、ラジオ番組やネット配信などを担当したり、作品のキャラクターボイスとしてコンサートやライブを行うこともある。
アニメのメインキャストは、継続的なシリーズものなどを除き、オーディションで担当する声優を決めることが多い。実績を積んだベテラン声優であっても、オーディションに挑み、役を勝ち取っていくことが求められる厳しい世界である。このため、仕事の合間にもボイストレーニングなどによりスキルの向上に努め、さまざまなジャンルの作品に触れて感性や表現力を磨き、対応できる役柄の幅を広げる努力が必要となる。のどのケアをはじめ体調管理に気を配り、人脈を広げて仕事情報の収集を行い、チャンスをつかめるように日頃から準備する。
声優の中には、歌手や舞台俳優など、音楽や演劇に関わる活動を行う人もいる。また、ラジオのパーソナリティや動画配信など、声の仕事を中心にさまざまな分野で活躍の場を広げている人が多い。声優養成講座や朗読ワークショップなどの講師を務めることもある。
声優はオーディションを中心とする厳しい競争が続く職業であるが、好きな作品に参加できた時や、自分の表現がキャラクターの魅力を高めたと実感できた時、出演作品が高い評価を得たり、観客の反応に手応えがあった場合などには、大きな達成感を感じることができる。
<就業希望者へのメッセージ>
日頃の引き出しが大事。全ての経験が芝居の糧になります。色々な経験や諦めない心は、どこかでチャンスにつながる世界です。アニメやゲームが好きの気持ちは、それに親しんできた自分の耳を通して活かされることでしょう。(就業者 20代)
学園モノの作品が多いので、学生生活としての青春の経験は芝居の引き出しになります。学生時代の人との関わりは芝居を作り上げる時に必要となるコミュニケーション能力につながります。(就業者 30代)
自分の好きなこと、モチベーションを大事に、自分の道を進んでいくといいと思います。学生時代にしか体験できないことを自分なりに楽しんでやっておくことは大事。(就業者 30代)
◇よく使う道具、機材、情報技術等
録音機材(マイク、ボイスレコーダー)、台本、タブレット
労働条件の特徴
さまざまな属性の声にニーズがあるため、性別・年齢層は幅広い。近年、日本のアニメが世界的に高く評価され、ゲームや映像の作品数も増えており、活躍の場は拡大し、声優として活動する人も増加を続けている。一定の出演実績のある声優として専門誌の名鑑に掲載されている人数だけをみても、2000年代以降数倍になっている。(注)
労働時間は作品やプロジェクトによりさまざまである。放送や配信などの仕事や作品関連のイベントは夜間や週末に行われることも多い。出演する作品の数や制作の進行状況などにより、スケジュールは不規則になりがちである。
プロダクション等に所属していても雇用契約ではなく、活動のサポートを受けるマネジメント契約やエージェント契約であり、例外はあるものの固定した収入が保証されているものではない。仕事ごとに報酬(ギャラ)を受け取る自営業としての働き方がほとんどである。仕事の量や単価により収入にも個人差が大きい。継続したシリーズへの出演やレギュラーの仕事を持って安定した収入を得ている人は少なく、むしろ、声優以外の副業で生計を立てている人が多い。
日本のアニメやゲーム産業の成長、世界規模の動画配信サイトの拡大による吹き替え需要、オーディオブックやスマホアプリの音声など、声優が活躍するコンテンツは増加している。一方、声優の仕事が注目されるとともに就業希望者も多くなり、競争が非常に厳しい世界になっている。さらにAIによる音声の代替などの新しい動きも注目される。今後も、声優の個性や実力が問われる状況が続くと見込まれる。
(注)資料出所:「月刊声優グランプリ」付録 声優名鑑(男性編、女性編)主婦の友社
声優の年収
声優の平均年収は544万円(令和7年賃金構造基本統計調査「音楽家,舞台芸術家」・全国)。中央値の目安は506万円、年収レンジは372〜931万円、上位10%は802万円です。
あなたの年収は、同じ年代の声優の中で上位何%?
入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。
声優の時給2,561円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.2倍です。都道府県別の最低賃金 →
年代別の年収推定
平均年収と平均年齢(37.2歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。
経験年数別の年収推定
雇用形態別の年収推定
年収の推移(統計の年ごと)
| 調査年 | 年収 | 就業者数 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 647万円 | — | — | — |
| 2022年 | 490万円 | — | — | — |
| 2023年 | 574万円 | — | 0.31倍 | 24.5万円 |
| 2024年 | 589万円 | — | 0.31倍 | 25.3万円 |
| 2025年 | 544万円 | — | 0.29倍 | 26.8万円 |
声優の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定
現在544万円 → 3年後 594万円 → 5年後 630万円 → 10年後 729万円(10年後の予想レンジ 627〜847万円)。年率の伸びは+3.0%と見ています。
年率の伸びの内訳
将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →
声優の将来性スコア
各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。
声優のAI代替リスク
AIによる仕事内容の変化
解説は準備中です。
AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →
声優の求人需要
有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。
アメリカでは:俳優の年収・将来性
声優に当たるアメリカの職業「俳優」(米国の職業分類 27-2011)の年収の中央値は約0万円(—・1ドル157.25円で換算)。
| 日本:声優 | アメリカ:俳優 | |
|---|---|---|
| 年収(日本=平均・米国=中央値) | 544万円 | — |
| 上位10% | 802万円 | — |
| 10年後の予想年収 | 729万円 | — |
| 将来性スコア | 50 | 48 |
| AI代替リスク | 25% 低い | 29% 低い |
| 求人需要 | 求人倍率 0.29倍 | 雇用の増減予測 +0.0% 2025–35・BLS |
| 就業者数 | — | 5.5万人 |
| 時給(平均) | 2,561円 最低賃金の2.2倍 | 9,120円 $58.00 連邦最低賃金の8.0倍 |
| 最低賃金 | 1,177円 全国加重平均・2026年度 | 1,140円 連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり |
| 入職に必要な学歴(米国) | — | 大学中退(学位なし) |
米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→
世界では:専門職の平均月収を国別に比べる
声優は国際標準職業分類で「専門職」に入ります。133か国・地域の専門職の平均月収を円に直すと、日本は月42.6万円で36位、1位はルクセンブルクの月183万円です。アメリカは月136万円で日本の3.2倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は35位です。
「専門職」全体の平均で、声優だけの値ではありません(医師・看護師・薬剤師、エンジニア・プログラマー、教員、弁護士・会計士、記者・デザイナーなど。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は52.9万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。専門職の世界ランキングを全部見る →
声優に必要なスキル・資格
必要資格
関連する資格はありません(資格が無くても就ける職業です)。
声優になるには(未経験からの方法)
就くには(job tag)
評価が確立するまでは収入が安定せず経済的に厳しい期間が長いため、他の仕事との兼業やアルバイトで生計を立てたり、早い段階で他の仕事へ転じる人も多い。経験と実績を積み、所属事務所から独立する人もいるが、個人でフリーとして安定した活動をできる人はごく一部である。
声優が演じるキャラクターは、人間だけでなく様々な生き物や空想上の存在にも及び、きわめて幅が広い。このため、声による表現力や安定した語りの技術だけでなく、作品世界に対する理解力や演じる役柄への想像力が大切である。また、作品ごとに違うチームで仕事をすることになるので、共演者やスタッフなど周囲とのコミュニケーションを図り、制作側の指示に的確に対応する柔軟性も求められる。仕事の幅を広げるチャレンジ精神、自分の個性や得意分野をアピールする発信力も重要である。作品のキャスティングには、声質や演技力といった個人の資質だけでなく、役柄との適合性が重視されるので、時間をかけて準備をしてもオーディションでなかなか思うような結果が出ないことが多い。これを乗り切る精神的な強さや気持ちの切り替えの早さも必要となる。
声優のキャリアルートと年収アップ方法
解説は準備中です。