オーケストラ奏者(団員)

職業分類:03_018-01 信頼度 ★★★★★

別名:オーケストラの楽員

オーケストラにおいて自分が専門とする楽器を演奏する。また、ミュージカルやオペラの公演、映画、ドラマ、アニメーション等に収録される楽曲を演奏する。

平均年収
544万円
レンジ 372〜931万円
最高年収の目安
931万円
上位10% 802万円
5年後の予想年収
624万円推定
2031年
10年後の予想年収
716万円推定
616〜832万円
将来性
40/100
★★☆☆☆ 低め
AI代替リスク
—
—
求人需要
低い
有効求人倍率 0.29倍

仕事内容

オーケストラにおいてコンサート等の定期公演、演奏会で自分が専門とする楽器を演奏する。演奏会の他にも、ミュージカルやオペラの公演、映画、ドラマ、アニメーション等に収録される楽曲の演奏を行う。
 なお、団体としてのオーケストラには演奏を専門の職業とする楽員で構成されるプロフェッショナル・オーケストラ(プロオーケストラ)と他の職業に就業する楽員で構成され、楽員を雇用していないアマチュア・オーケストラ(アマオーケストラ)があるが、ここではプロオーケストラで演奏するオーケストラ奏者(以下、楽員と表記する場合もある)について解説する。
 オーケストラのメインの活動として、年間に数回の定期公演、演奏会がある。公演、演奏会のプログラム、楽曲が決まると、楽譜担当の運営担当スタッフ(ライブラリアン)により用意された楽譜が参加する楽員に渡される。楽員は演奏する楽曲について楽譜研究を行い、リハーサルに向けて各自で表現方法を考えたり、技術的に克服するべき課題に取り組むなど、個人練習を行う。また、楽器によっては同じ楽器を担当するメンバーとの演奏を揃えるなど練習する。演奏会の本番が近づくと全員が参加し、オーケストラ全体でのリハーサルを行う。全体リハーサルは楽器編成やプログラムの規模にもよるが、1日に4~5時間、1日~3日程度行われ、指揮者の主導により楽曲の表現や演奏方法に関する様々な調整がある。楽員は指揮者の意向や指示を理解し、他の楽器の奏でる音とのバランスなど全体との調和を意識しながら自らのパートを演奏する。演奏会当日はコンサートホールなどの演奏会場に出向き、プログラムに沿って楽曲を演奏する。
 定期公演、演奏会での演奏の他に、観客の前で演奏する機会としてはミュージカルやオペラでの演奏がある。この場合には、オーケストラピットと呼ばれる舞台前方や舞台下での空間で、劇やストーリーの進行に合わせて楽曲を演奏する。また、映画、ドラマ、アニメーションなどで流される楽曲の演奏は、主にコンサートホールやレコーディングスタジオで収録される。レコーディングスタジオでの収録などの場合には、あらかじめ楽譜が用意されず、その場で初めて楽譜を見て演奏することが求められることもある。
 オーケストラ団体によっては、定期公演、演奏会の予定がないオフシーズンの期間に、学校に出向いたり、学校の生徒を対象とした鑑賞教室を実施するなどの教育プログラムの提供や、地域・コミュニティへの音楽を通した文化的社会貢献を行っている。オーケストラ奏者はこれらの活動にも参加し、演奏を通して生徒や地域社会の人々と交流し、音楽への関心を高めてもらう役割も担っている。
 オーケストラ奏者には、一つの団体に所属する楽員のほか、特定の所属先はもたず演奏プログラムによって個々に要請を受けて、エキストラとして演奏に参加するフリーで活動している演奏者もいる。このような演奏者の場合、様々なオーケストラ団体の演奏会や不定期に開催される各種の音楽イベントに参加して演奏したり、スタジオ収録の仕事に参加したりする他、学校の授業や部活動での楽器演奏の指導、また音楽教室の講師を務めるなど様々な活動を行っている。特定の団体に所属している楽員であっても、大規模な団体に所属して固定給で就業している場合を除き、生計上の理由から多くは個人的に上記のような音楽関連の仕事や活動に従事している。オーケストラでの演奏以外の仕事を複数兼ねていたりすることや、公演や演奏会が休日と重なることも多いため定期的な休みをとりにくい面もある。
 オーケストラ奏者として仕事をしていくためには、日々、演奏技術を磨き、高い技術を保ち続けることがもっとも重要な条件となる。そのため、毎日、休むことなく練習を積み重ね、常に自分の技術を研鑽していく努力が必要である。このような努力の積み重ねの結果、演奏会のステージで様々な楽器を演奏する他の楽員、指揮者と呼吸を合わせて思い描いていた通りの演奏をやり遂げ、多くの聴衆から盛大な拍手を受け、聴衆に喜びや感動を与えられたという達成感を得られることはこの仕事ならではの大きな魅力である。

<就業希望者へのメッセージ>
 仲間とともにひとつの音楽を創る充実感は何にも代えがたいです。準備や練習は大変ですがお客様の拍手を受けた時に苦労が吹き飛びます。(就業者 40代)
 色々な作品を演奏し、先人たちの偉業に触れられます。そして作品を次世代に受け渡していける意義深い仕事です。(就業者 40代)
 スタジオレコーディングでできたものを聴いたり、出演したものが世に出るとやりがいを感じます。(就業者 40代)

◇よく使う道具、機材、情報技術等
 担当楽器、演奏会用の衣装(燕尾服、ステージドレスなど)、タブレット端末とデジタルの楽譜用のアプリ、パソコン

労働条件の特徴

日本には様々な規模のオーケストラ団体がある。多くの団体が加入している日本オーケストラ連盟の資料によると正会員・準会員として約40団体があり、約2300名の楽員が所属している(日本オーケストラ連盟,2025)*。
 就業形態としては、規模が大きいオーケストラに所属する場合は固定給もしくは年俸制での正規雇用で定年まで就業できる。他方、大多数の中規模、小規模のオーケストラの場合、公的な助成を受けながら運営しているなど運営資金に余裕がないことから、業務委託での契約となり、生計を立てるには兼業や副業でいくつかの仕事を掛け持ちする必要がある。収入を得るための仕事のほかに、日々、数時間に及ぶ楽器の練習は必須なので、休日や休暇の取得や週、月単位の働き方は個人によって異なる。
 オーケストラ奏者のポジションには、コンサート・マスター、各楽器のパート・リーダーである首席奏者、副首席奏者、それ以外の一般の奏者(tutti奏者)がある。また、運営と楽員の間に入り、様々な調整を行う役割としてインスペクターという職務を兼ねている楽員もいる。首席奏者は採用の際に首席奏者として募集され入団する場合が殆どである。首席奏者が退職してポジションが空いた場合などに、楽員としての経験や演奏に対する姿勢から副首席から首席奏者になることもある。また、実績や経験を積んで技術を磨き、国内外の他の団体に移籍する者もいる。
 *日本オーケストラ連盟(2025) 日本のプロフェッショナルオーケストラ年鑑2024 P.161

オーケストラ奏者(団員)の年収

オーケストラ奏者(団員)の平均年収は544万円(令和7年賃金構造基本統計調査「音楽家,舞台芸術家」・全国)。中央値の目安は506万円、年収レンジは372〜931万円、上位10%は802万円です。

平均年収
544万円
中央値(目安)
506万円
最低年収の目安
372万円
未経験・20代前半
上位10%
802万円
最高年収の目安
931万円
トップ層
時給(一般労働者)
2,561円
短時間労働者 1,880円
最低賃金との比
2.2倍
全国加重平均 1,177円(2026年度)
求人賃金(月額)
26.8万円
前年度比 +1.5万円

あなたの年収は、同じ年代のオーケストラ奏者(団員)の中で上位何%?

歳 万円

入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。

オーケストラ奏者(団員)の時給2,561円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.2倍です。都道府県別の最低賃金 →

年代別の年収推定

20代
440万円
30代
523万円
40代
596万円
50代
661万円

平均年収と平均年齢(37.2歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。

経験年数別の年収推定

未経験
406万円
1〜3年
452万円
3〜5年
498万円
5〜10年
558万円
10年以上
627万円

雇用形態別の年収推定

正社員 544万円パート・アルバイト 228万円フリーランス・自営 571万円契約社員・派遣社員 424万円

年収の推移(統計の年ごと)

調査年年収就業者数有効求人倍率求人賃金(月額)
2021年647万円———
2022年490万円———
2023年574万円—0.31倍24.5万円
2024年589万円—0.31倍25.3万円
2025年544万円—0.29倍26.8万円

平均年収・中央値・上位10%の見かた →

オーケストラ奏者(団員)の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定

現在544万円 → 3年後 591万円 → 5年後 624万円 → 10年後 716万円(10年後の予想レンジ 616〜832万円)。年率の伸びは+2.8%と見ています。

544万円
現在
2026年
591万円
3年後
2029年
545〜643万円
624万円
5年後
2031年
562〜695万円
716万円
10年後
2036年
616〜832万円

年率の伸びの内訳

賃金の基本の伸び +1.8%求人需要(人手不足) -0.45%求人賃金の勢い +1.45%合計 +2.8%/年

将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →

オーケストラ奏者(団員)の将来性スコア

40/100
★★☆☆☆
低め・全職業で458位
年収水準
60点
求人需要
7点
賃金の勢い
99点
人手不足(平均年齢)
4点

各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。

オーケストラ奏者(団員)のAI代替リスク

計算中です。

AIによる仕事内容の変化

解説は準備中です。

AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →

オーケストラ奏者(団員)の求人需要

有効求人倍率
0.29倍
全職業で507位
求人需要
低い
27/100
求人賃金(月額)
26.8万円
前年度比 +1.5万円
就業者数
—
国勢調査
平均年齢
37.2歳
労働時間
166時間/月
5年後の求人数
+2.6%
推定
10年後の求人数
+4.6%
推定

有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。

アメリカでは:ミュージシャン・歌手の年収・将来性

オーケストラ奏者(団員)に当たるアメリカの職業「ミュージシャン・歌手」(米国の職業分類 27-2042)の年収の中央値は約0万円(—・1ドル157.25円で換算)。

日本:オーケストラ奏者(団員)アメリカ:ミュージシャン・歌手
年収(日本=平均・米国=中央値)544万円—
上位10%802万円—
10年後の予想年収716万円—
将来性スコア4063
AI代替リスク—30% 低い
求人需要求人倍率 0.29倍雇用の増減予測 +0.3%
2025–35・BLS
就業者数—3.6万人
時給(平均)2,561円
最低賃金の2.2倍
9,435円
$60.00
連邦最低賃金の8.3倍
最低賃金1,177円
全国加重平均・2026年度
1,140円
連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり
入職に必要な学歴(米国)—学歴不問

米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→

世界では:専門職の平均月収を国別に比べる

オーケストラ奏者(団員)は国際標準職業分類で「専門職」に入ります。133か国・地域の専門職の平均月収を円に直すと、日本は月42.6万円で36位、1位はルクセンブルクの月183万円です。アメリカは月136万円で日本の3.2倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は35位です。

1. ルクセンブルク
183万円
2. スイス
151万円
3. アメリカ
136万円
4. ベルギー
127万円
5. デンマーク
127万円
11. ノルウェー
113万円
13. フランス
108万円
14. ドイツ
99.6万円
16. シンガポール
81.6万円
18. イギリス
80.1万円
25. 韓国
56.5万円
36. 日本
42.6万円

「専門職」全体の平均で、オーケストラ奏者(団員)だけの値ではありません(医師・看護師・薬剤師、エンジニア・プログラマー、教員、弁護士・会計士、記者・デザイナーなど。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は52.9万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。専門職の世界ランキングを全部見る →

オーケストラ奏者(団員)に必要なスキル・資格

必要資格

関連する資格はありません(資格が無くても就ける職業です)。

オーケストラ奏者(団員)になるには(未経験からの方法)

就くには(job tag)

オーケストラ奏者になるためには、多くの場合、幼少期や学齢期から楽器を習い、音楽に関する基礎的な知識や演奏の技術を身につけ、音楽大学等の器楽科で担当楽器に関する演奏技術を専門的に学び、スキルや技術を習得する。その上で、特定のオーケストラ団体の楽員をめざす場合、各団体が募集する担当楽器のオーディションに合格することが条件である。オーディションは概して演奏者に欠員が生じたときに行われるため楽器によっては求人そのものが殆ど無かったり、募集人数が限定されていたりする。楽器の種類にもよるが1名か2名の募集に対して数百人が応募するケースもあり、選考を通過するための競争倍率は非常に高い。選考の基準は演奏技術の高さであるため、コンクールでの入賞や受賞を除き、海外留学や大学院卒などの経歴や過去の演奏経験は選考では有利にならない。演奏技術さえ高ければ、音楽大学の在学中にオーディションに合格することもある。ただ、オーディションに合格しても数か月から1年程度は試用期間であり、演奏技術のレベルによっては正式に採用されないこともある。
 このように、オーケストラの楽員として安定した職に就くには早期から音楽に親しみ、音楽全般に対する専門的知識や経験をもちつつ、高い演奏技術を発揮できる能力があることが前提条件であり、加えてオーディションに合格するという難関を乗り越えなければならない。そのため音楽大学卒業後、オーケストラ奏者になることを断念し、初等中等教育の音楽担当の教員になったり、大学院を修了して大学の教員の職をめざすなど、他の職業に方向転換する者も少なくない。
 オーケストラ奏者に求められる資質としては、音楽や楽器演奏に喜びを感じ熱意を持てること、担当楽器に関する優れた演奏技術、技術の向上をめざす探究心、音楽全般の専門的な知識や感性である。この他、異なる楽器を演奏する他の楽員、指揮者、オーケストラの運営に関わるスタッフとコミュニケーションをとり、協調していくことも求められる。また、演奏会などではコンサートホールの舞台上で多くの聴衆を前にして演奏する機会も多いため、人前で動じない精神力や度胸も必要になる。同時に、日々、休むことなく楽器の練習を続ける根気強さやねばり強さ、長時間の演奏に耐えられる集中力や体力も重要となる。

オーケストラ奏者(団員)のキャリアルートと年収アップ方法

解説は準備中です。

年収・就業者数・労働時間・年齢・有効求人倍率は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っている公的統計(賃金構造基本統計調査・国勢調査・職業安定業務統計)の全国の値で、その職業が属する職業分類の統計です。将来予想年収・将来性スコア・AI代替リスクは仕事ずかんの予測モデルによる推定値で、保証するものではありません。 掲載内容の訂正のご依頼は、お問い合わせの「掲載内容の訂正の依頼」からご連絡ください。 データの見かた
出典:令和7年賃金構造基本統計調査「音楽家,舞台芸術家」、2025年度 職業安定業務統計(職業中分類「23 音楽家,舞台芸術家」)(e-Stat、2026/11/01取得。統計の分類は job tag「職業分類対応表」による)、職業情報データベース(JILPT)・直近更新 2025。将来予想・スコア・年収レンジは仕事ずかんの推定。