マーチャンダイザー、バイヤー
別名:MD、食料品マーチャンダイザー、アパレルバイヤー、マーチャンダイザー(百貨店)
店舗で扱う商品を検討し、売れる商品を仕入れる。販売戦略を考えたり、生産者と一緒に商品を開発することもある。
仕事内容
バイヤーとは商品の買い付け、仕入れを行う担当者であるが、今日では単なる買い付けにとどまらず、マーチャンダイザーとして商品を生産者とともに開発したり、買い付けた商品の販売戦略まで考えることが多く、ここではバイヤーを含めマーチャンダイザーについて解説する。マーチャンダイザーがバイヤーを兼任していることも多く、マーチャンダイザー(merchandiser)は短くMDと呼ばれることもある。
マーチャンダイジングとは、売れる商品のために、商品の企画開発、商品の調達、そして商品の販売戦略まで検討する活動であり、この中で商品の調達の部分に比重があるのがバイヤーである。市場に潤沢に商品があり、その中から購入すればよいのであれば、バイヤーとしての仕事になるが、より良い商品を仕入れようとすると、生産者に働きかけ、生産者とともに商品を開発していくことが必要になる。また、現在はすでに多くの商品が流通し飽和状態といえ、このような状況では販売戦略が重要であり、この面ではバイヤーというよりもマーチャンダイザーとしての仕事となる。
ここでは、マーチャンダイザー、バイヤーが活躍する主な分野として、食料品とアパレルの小売りについて記述する。なお、類似した仕事として「商社営業」、「商品企画開発(チェーンストア)」、「ネット通販の企画開発」は別途、本サイトで解説されている。
マーチャンダイザーの仕事は市場調査、売れ行きなどの情報からどのような商品が売れるか予測することに始まる。最近ではお客のポイントカード等の情報から、どのような商品が売れているかリアルタイムでわかる。消費行動に関するビッグデータを解析し提供している会社もあり、そのような情報も利用される。天候と売れ行きの関係など、一部はAIも活用されている。このように市場の動向を常に把握し、食料品であればどのような食料品が売れるか、アパレルであれば流行のトレンドを押さえておく必要がある。
この予測に基づき商品を仕入れるが、マーチャンダイザーは生産者と一緒に商品開発まで行う。野菜であれば、卸売市場で仕入れるだけではなく、契約農家とともに、安心・安全やSDGs(持続可能な開発目標)も配慮し、JGAP(Japan Good Agricultural Practice)等食料品生産の規格にも沿って野菜を生産する。これらの野菜は事前の契約に基づき仕入れる。近年では野菜の生産農家は減少しており、市場に潤沢に野菜が出回っているわけではない。消費者に喜ばれる野菜を生産者とともに作らなくてはならない。
生産の途中でも出来具合や天候を継続してチェックしていく。気象条件が毎年異なり、最近では異常気象も頻発することから、良い野菜を生産するためには知恵と工夫が必要である。
加工食品であれば、メーカーから仕入れるだけではなく、グループ企業内のマーチャンダイザーが集まり、新商品やPB(プライベートブランド)商品の開発を検討する。
チェーンストアでは、マーチャンダイザーがまとめて仕入れた商品を、店舗の店員がEOS(Electronic Ordering System、電子発注システム)によって、タブレット端末などから発注し、翌日、翌々日に店舗に商品が届くという流れになる。
アパレルのマーチャンダイザーは展示会に出席したりメーカーを回り様々な既製品を検討し、そこから仕入れることもあるが、生地やデザイン、製造工程に関して、デザイナー、パタンナー、生地生産者、服飾メーカーとともに検討し、自社のブランドにふさわしい衣料品を作ることもある。アパレルの場合は現物を見て対面で発注することが多い。アパレルに関してもSDGsやフェアトレードに関する消費者の関心が高まっており、このような点も配慮して、企画する。
マーチャンダイザーは販売戦略でも大きな役割を果たしており、どのようなCMを流し、どのように店頭で陳列するか等検討する場合もある。売れ行きがよければ会社の利益となり、逆に、売れ残った商品は会社の損失となるため、マーチャンダイザーの責任は重大である。一方、自分が担当する商品に関して、専門知識を有するエキスパートであることにやりがいを感じることもできる。商品の企画や開発まで行う点では、関係者、生産者と一緒に新しいものを作り上げていくという醍醐味もある。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
文書作成ソフト(Word、一太郎等)、プレゼン資料作成ソフト(Power Point等)、パソコン
主なタスク
- 店舗で扱う商品を検討し、売れる商品を仕入れる。(実施率 1%)
- 販売戦略を考えたり、生産者と一緒に商品を開発する。(実施率 1%)
- 商品の売れ行きを予測する。(実施率 1%)
- 担当する商品の市場調査を行う。(実施率 1%)
- 新商品やPB商品の開発を検討する。(実施率 1%)
- 流行やトレンドを押さえる。(実施率 1%)
- 仕入れに関して生産者と折衝する。(実施率 1%)
- 店頭での陳列を考える。(実施率 1%)
- 店舗から商品に関する問合せに答える。(実施率 1%)
- 生産者とどのような商品にするかを検討する。(実施率 1%)
- 店舗での販売を指導する。(実施率 1%)
- 広告戦略を考える。(実施率 1%)
雇用形態(働いている人の割合)
労働条件の特徴
食料品のマーチャンダイザーは男性も女性もいる。アパレルではレディースは女性のマーチャンダイザーが多く、メンズは男性が多い。それまでにいろいろな経験をしてから就く仕事であり、責任も重いことから中高年齢者が多い。
雇用形態としては正社員であり、賃金はほとんどの企業で月給制がとられている。通常の朝から夕方までの勤務であり、週休2日制となっている。卸売市場に行くときには早朝から働き、市場が閉じると会社に戻るが、このようなときは早く退社となる。食料品もアパレルも一年の中で商品の動きが激しい時期があり、それに備えるために残業が多くなる時期もある。
マーチャンダイザーを取り巻く状況は日々、変化している。食料品に関しては安心・安全が重視され、健康志向も高まっている。SDGsへの関心も強い。インターネットでのショッピングが広がり、実店舗でもインターネットや宅配への対応を進めている。また、アパレルではネット・ショッピングの広がりの中、この仕入れもマーチャンダイザーの大きな役割となっている。今日、商品があれば売れるという時代ではなく、売り上げを伸ばすためには、マーチャンダイザーの役割が重要になっている。
マーチャンダイザー、バイヤーの年収
マーチャンダイザー、バイヤーの平均年収は558万円(令和7年賃金構造基本統計調査「その他の商品販売従事者」・全国)。中央値の目安は519万円、年収レンジは380〜958万円、上位10%は825万円です。
あなたの年収は、同じ年代のマーチャンダイザー、バイヤーの中で上位何%?
入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。
マーチャンダイザー、バイヤーの時給2,671円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.3倍です。都道府県別の最低賃金 →
年代別の年収推定
平均年収と平均年齢(42.0歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。
経験年数別の年収推定
雇用形態別の年収推定
年収の推移(統計の年ごと)
| 調査年 | 年収 | 就業者数 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 484万円 | — | — | — |
| 2022年 | 471万円 | — | — | — |
| 2023年 | 516万円 | — | 1.96倍 | 22.3万円 |
| 2024年 | 473万円 | — | 1.95倍 | 23.2万円 |
| 2025年 | 558万円 | — | 1.79倍 | 24.3万円 |
マーチャンダイザー、バイヤーの将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定
現在558万円 → 3年後 609万円 → 5年後 647万円 → 10年後 750万円(10年後の予想レンジ 645〜870万円)。年率の伸びは+3.0%と見ています。
年率の伸びの内訳
将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →
マーチャンダイザー、バイヤーの将来性スコア
各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。
マーチャンダイザー、バイヤーのAI代替リスク
AIによる仕事内容の変化
解説は準備中です。
AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →
マーチャンダイザー、バイヤーの求人需要
有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。
アメリカでは:小売・卸売のバイヤーの年収・将来性
マーチャンダイザー、バイヤーに当たるアメリカの職業「小売・卸売のバイヤー」(米国の職業分類 13-1022)の年収の中央値は約0万円(—・1ドル157.25円で換算)。
| 日本:マーチャンダイザー、バイヤー | アメリカ:小売・卸売のバイヤー | |
|---|---|---|
| 年収(日本=平均・米国=中央値) | 558万円 | — |
| 上位10% | 825万円 | — |
| 10年後の予想年収 | 750万円 | — |
| 将来性スコア | 55 | 42 |
| AI代替リスク | 54% 中程度 | 62% 高い |
| 求人需要 | 求人倍率 1.79倍 | 雇用の増減予測 — ・BLS |
| 就業者数 | — | — |
| 時給(平均) | 2,671円 最低賃金の2.3倍 | — |
| 最低賃金 | 1,177円 全国加重平均・2026年度 | 1,140円 連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり |
米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→
世界では:サービス・販売職の平均月収を国別に比べる
マーチャンダイザー、バイヤーは国際標準職業分類で「サービス・販売職」に入ります。133か国・地域のサービス・販売職の平均月収を円に直すと、日本は月28.5万円で28位、1位はルクセンブルクの月82.4万円です。アメリカは月58.2万円で日本の2.0倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は24位です。
「サービス・販売職」全体の平均で、マーチャンダイザー、バイヤーだけの値ではありません(販売店員、介護職員、調理人・接客、理容・美容師、警備員・警察官・消防官など。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は32.5万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。サービス・販売職の世界ランキングを全部見る →
マーチャンダイザー、バイヤーに必要なスキル・資格
必要スキル
job tag のスキルのレベル(就業者の調査)。
必要な知識
仕事の中身(よく行う活動)
必要資格
関連する資格はありません(資格が無くても就ける職業です)。
学歴(働いている人の割合)
入職前の訓練期間
入職前の実務経験
なる難しさ:★★★☆☆ ふつう(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)
マーチャンダイザー、バイヤーになるには(未経験からの方法)
就くには(job tag)
食料品のマーチャンダイザーの場合、正社員として入社し、売り場での販売を何年か経験し、店舗の売り場責任者や副店長を経験したりし、マーチャンダイザーになることが多い。
アパレルの場合も売り場での接客、店長等を経験したり、バイヤーの仕事やマーチャンダイザーのアシスタントをし、マーチャンダイザーになる。
マーチャンダイザーのその後のキャリアとしては、会社の経営層になっていくか、担当する分野の専門家、エキスパートになっていくルートがある。数は少ないが、専門知識と人脈を生かし、コンサルタントとして独立する人も中にはいる。
商品の売れ行きやトレンドに敏感で、論理的な思考、戦略的な思考ができることが必要である。生産者や幅広い関係者との仕事となり、初対面の人に会ったり、目上の人に会うことも多い。このような対人関係に苦手意識がなく、スムーズにコミュニケーションが行えることが求められる。
マーチャンダイザー、バイヤーのキャリアルートと年収アップ方法
解説は準備中です。