自動車検査員

製造 職業分類:12_079-03 信頼度 ★★★★★

指定整備工場において、自動車整備士によって整備された自動車が、国の定める保安基準に適合しているかを確認する「完成検査」を行い、自動車が安全に走行できる状態であるかの合否を判定する。

平均年収
523万円
レンジ 360〜888万円
最高年収の目安
888万円
上位10% 766万円
5年後の予想年収
588万円推定
2031年
10年後の予想年収
661万円推定
568〜767万円
将来性
49/100
★★☆☆☆ ふつう
AI代替リスク
50%
中程度
求人需要
ふつう
有効求人倍率 1.13倍

仕事内容

自動車検査員は、指定整備工場において、自動車整備士によって整備された自動車が、国の定める保安基準に適合しているかを確認する「完成検査」を行い、自動車が安全に走行できる状態であるかの合否を判定する。
 「完成検査」は、自動車の安全性を確保するために重要な工程であり、その時点において自動車が道路を安全に走行でき、環境への基準を満足しているかを確認することであり、検査を適切に行うことによって、整備不良や不正改造箇所のある自動車が公道を走行することを防いでいる。もし完成検査をした車に不具合があれば、人命に関わる事故の原因となりうるため、完成検査は継続検査(車検)の中で最も責任感が問われる重要な仕事である。
 具体的には、自らの指定整備工場で整備された自動車について、構造に関する検査として、車検証に記載されている寸法との同一性や最低地上高等を視認等により検査する。装置に関する検査として、制動装置(ブレーキ)の性能及び制動能力や前照灯(ヘッドライト)の明るさ及び主光軸の向き等を検査機器を用いて基準値内であるかを検査するほか、動力伝達装置、走行装置、制動装置、灯火装置等の自動車の各装置について、検査用ハンマーを用いる方法や目視等により検査する。
 継続検査の場合、一連の工程を見ると、車検用車両の受け入れ、整備における作業指示、計測機械等を用いた完成検査、指定整備記録簿への検査結果記載、保安基準適合証への証明を行う書類作成、車検依頼者への報告という流れが一般的である。使用者に交付する記録簿には、測定結果、消耗品の残量等、点検結果、整備の内容などが記載され、自動車検査員が、車両の改善提案やメンテナンスの助言を行うこともある。
 指定整備工場における完成検査は、1台あたり数十分程度の所要時間である。検査工場の規模にもよるが自動車検査員1人あたり1日に4~5台、多くても8台ほどである場合が多い。普通乗用車の場合、所有者への引き渡しまで1日、トラック等で2~3日というのが一般的である。
 また、指定整備工場における完成検査として扱える車種は、指定を受けた自動車の種類に限られるものであるが、実際には勤務している現場が取り扱っている車種のみを日常的には検査するというのが一般的となる。
 働く場所が同じであることから混同されることもある自動車整備士は、定期点検や車検などにおいて、不具合・故障箇所がないかを点検し、それらがあった場合の修理・整備などメンテナンスを行うことが主な業務である。他方、自動車検査員は自動車整備士が行った整備に不備・漏れがないか、整備後の自動車が国の基準に適合し問題なく安全に走行できるかについて検査と確認をする。言い換えるならば、自動車整備士は自動車の整備全般を行い、車検に合格するよう点検と整備をするが、車検における完成検査を行うことはできず、自動車検査員による最終判断が必要となる。また、自動車検査員は、整備と検査を同一の者が行うことはできない。
 自社工場で車検を行うことができる指定整備工場においては、自動車検査員を最低でも1名を配置する必要がある。自動車検査員は、現場において、資格を持たない工員や自動車整備士の監督業務を行うこともあることから、自動車整備士の仕事にも深い理解が必要である。
 自動車検査員は、人の命に関わる大きな責任を伴う仕事を行うことから、まずは自動車に関する豊富な知識を持つことが大前提となる。細部に亘る項目の検査をするためには、曖昧な知識では通用せず、自動車検査員の選任を受けた後も、自動車の基本構造から最新の技術やシステムの動向等、常に新しい知識を吸収し続ける必要がある。その上で、「安心・安全な車を社会に届けたい」といった強い責任感を持って仕事に取り組むことができる者が向いている。また、日常の作業動作としては、微細な異状を察知する力や、集中力があり繰り返しの同じ作業が苦にならない者が向いている。

<就業希望者へのメッセージ>
 自動車整備士の仕事に興味がある人は、次のステップとして自動車検査員があるということを知ってほしいと思います。“みなし公務員”として、人命に関わる仕事に誇りと責任を持って取り組めます。安全な車社会をつくる一員としてやりがいのある仕事です。(就業者 30代)
 車が無事検査に合格し、お客様が安心して乗っていただけることは我が身のことのように嬉しいものです。自動運転などの技術が年々進化し、自動車業界は新しい可能性が広がっていて面白いです。(就業者 50代)
 自動車検査員の資格取得後は、車の構造だけでなく法律にも興味を持つことができ、車に対する理解がより深くなりました。仕事をしながら車の知識が学べるところも魅力のひとつです。(就業者 30代)

◇よく使う道具、機材、情報技術等
 検査用機器(サイドスリップ・テスタ、ブレーキテスタ、ヘッドライトテスター、スピードメーターテスター、検査用スキャンツール等)、ペンライト、点検ハンマー、デジタルカメラ、寝板等

労働条件の特徴

自動車検査員は高い専門性を有し、同一の現場でみた場合、自動車整備士と比較して、賃金水準が高いことが一般的である。
 指定整備工場においては、完成検査をするために必ず1人は自動車検査員が必要であり、業界全体としてもその人材は不足していることから、転職において自動車検査員の資格は有利である。
 男女構成比は、圧倒的に男性が多い。年齢層としては自動車整備士や整備主任者としての経験年数を積む必要があることから、30代以降の自動車検査員が多く見られる。
 最近の動きとしては、令和6年10月より車検に電子的な検査(OBD検査)が導入されたことに伴い、「検査用スキャンツール」という器具が新たに使われるようになっている。車両に搭載された故障診断装置(OBD)と国の専用システムとを接続し、合否を判定する際に用いられる。
 近年、完成検査へのAI活用が進められ、検査の効率化やコスト削減につながることが期待されている。また、AIは、人間の目では発見しにくいような不具合を検出できるなど、検査の精度向上への寄与にも期待が集まっている。このような新たな技術の導入や、今後更に加速することが見込まれる自動運転など、自動車業界を取り巻く新しい動きもある。

自動車検査員の年収

自動車検査員の平均年収は523万円(令和7年賃金構造基本統計調査「機械検査従事者」・全国)。中央値の目安は486万円、年収レンジは360〜888万円、上位10%は766万円です。

平均年収
523万円
中央値(目安)
486万円
最低年収の目安
360万円
未経験・20代前半
上位10%
766万円
最高年収の目安
888万円
トップ層
時給(一般労働者)
2,489円
短時間労働者 1,683円
最低賃金との比
2.1倍
全国加重平均 1,177円(2026年度)
求人賃金(月額)
23.5万円
前年度比 +0.8万円

あなたの年収は、同じ年代の自動車検査員の中で上位何%?

歳 万円

入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。

自動車検査員の時給2,489円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.1倍です。都道府県別の最低賃金 →

年代別の年収推定

20代
391万円
30代
464万円
40代
528万円
50代
584万円

平均年収と平均年齢(43.7歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。

経験年数別の年収推定

未経験
391万円
1〜3年
435万円
3〜5年
479万円
5〜10年
536万円
10年以上
602万円

雇用形態別の年収推定

正社員 523万円パート・アルバイト 220万円フリーランス・自営 549万円契約社員・派遣社員 408万円

年収の推移(統計の年ごと)

調査年年収就業者数有効求人倍率求人賃金(月額)
2021年464万円———
2022年448万円———
2023年505万円—1.13倍22.2万円
2024年562万円—1.05倍22.7万円
2025年523万円—1.13倍23.5万円

平均年収・中央値・上位10%の見かた →

自動車検査員の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定

現在523万円 → 3年後 561万円 → 5年後 588万円 → 10年後 661万円(10年後の予想レンジ 568〜767万円)。年率の伸びは+2.4%と見ています。

523万円
現在
2026年
561万円
3年後
2029年
518〜610万円
588万円
5年後
2031年
530〜655万円
661万円
10年後
2036年
568〜767万円

年率の伸びの内訳

賃金の基本の伸び +1.8%求人需要(人手不足) -0.04%求人賃金の勢い +0.6%AIの影響 +0.0%合計 +2.4%/年

将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →

自動車検査員の将来性スコア

49/100
★★☆☆☆
ふつう・全職業で307位
AI耐性
50点
参入障壁
36点
年収水準
50点
求人需要
40点
賃金の勢い
62点
人手不足(平均年齢)
62点

各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。

自動車検査員のAI代替リスク

50%
中程度
AIに奪われにくい順で全職業中295位
非常に低い低い中程度高い非常に高い

AIによる仕事内容の変化

解説は準備中です。

AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →

自動車検査員の求人需要

有効求人倍率
1.13倍
全職業で329位
求人需要
ふつう
45/100
求人賃金(月額)
23.5万円
前年度比 +0.8万円
就業者数
—
国勢調査
平均年齢
43.7歳
労働時間
161時間/月
5年後の求人数
+5.5%
推定
10年後の求人数
+10.0%
推定

有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。

自動車検査員に必要なスキル・資格

必要資格

job tag の「関連資格」。必須の資格か推奨の資格かは「就くには」の文で確かめてください。

なる難しさ:★★★☆☆ ふつう(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)

自動車検査員になるには(未経験からの方法)

就くには(job tag)

自動車検査員が行う完成検査は本来、国が行う業務を代わりに行っているため、「みなし公務員」として扱われ、自動車の検査に必要な知識及び技能について地方運輸局長が行う自動車検査員教習を修了する(自動車検査員の資格)必要がある。また、勤務している指定整備工場において、勤務先から自動車検査員の選任を受けなければ、自動車検査員の業務をすることができない。現場では、「みなし公務員として、人命に関わる仕事に誇りと責任を持って取り組める」といった声が多い。
 自動車検査員教習の受験資格は、整備主任者としての実務経験が二級自動車整備士の場合は1年以上、一級自動車整備士の場合は6ヶ月以上必要であること(整備主任者になるには、二級自動車整備士又は一級自動車整備士の資格が必要)、直近の整備主任者研修を受講修了していること、勤務先が「指定整備工場」であることなどである。
 自動車検査員の選任を受けた後は、地方運輸局長が行う「自動車検査員研修」の受講が必要になっており、構造・装置、関係法令・主要通達等について常に最新の情報の習得に努める必要がある。
 一般的なキャリアルートとしては、自動車整備学科のある専門学校を卒業し二級自動車整備士資格を取得、指定工場に入職後に整備主任者に選任される等、自動車検査員教習の受験資格要件を満たす経験を積み、自動車検査員教習を受験して、終了試問に合格後自動車検査員に選任されるというケースが多い。また、自動車検査員としての経験を積んでいき、整備工場を管理する立場や工場長になるケースも多く見られる。培ったスキルや後進指導の経験を活かし、自動車整備関連の専門学校の教員に転職する例もみられる。
 自動車検査員の資格は、一度取得すれば原則失効することはないが、自動車検査員として働き続けるためには定期的な研修の受講が必要となる。

自動車検査員のキャリアルートと年収アップ方法

解説は準備中です。

年収・就業者数・労働時間・年齢・有効求人倍率は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っている公的統計(賃金構造基本統計調査・国勢調査・職業安定業務統計)の全国の値で、その職業が属する職業分類の統計です。将来予想年収・将来性スコア・AI代替リスクは仕事ずかんの予測モデルによる推定値で、保証するものではありません。 掲載内容の訂正のご依頼は、お問い合わせの「掲載内容の訂正の依頼」からご連絡ください。 データの見かた
出典:令和7年賃金構造基本統計調査「機械検査従事者」、2025年度 職業安定業務統計(職業中分類「58 機械検査従事者」)(e-Stat、2026/10/31取得。統計の分類は job tag「職業分類対応表」による)、職業情報データベース(JILPT)・直近更新 2025。将来予想・スコア・年収レンジは仕事ずかんの推定。