稲作農業者
別名:水稲栽培作業員
水田で稲を栽培し、米を収穫して出荷する。
仕事内容
日本の稲作は田んぼに水を張り、苗を植えて育てる「水田稲作」がほとんどである。苗づくりや水田・稲穂の管理など、季節や天候に合わせた細やかな栽培管理が必要である。
稲作農業者は自ら経営者を兼ねて家族農業経営の形をとっていることが多く、生産のみならず経営・販売など幅広い仕事を行う。
水田で米を作るための具体的な作業としては、水田の耕起(こうき)、育苗(いくびょう)、田植、施肥(せひ)、病害虫防除、除草、水管理、収穫、乾燥、調整などがある。かつてはこれらの作業のほとんどを手作業で行っていたが、現在では稲作技術が進歩し、水田を耕すトラクター、苗を植える田植機、農薬散布のための防除機、収穫のためのコンバインなどの機械が導入され、重労働は少なくなっている。
稲作作業は東北・北陸地方の北日本では、冬は雪で農業が困難なため、この間に他の仕事に就いている人もいる。一方、関東地方より南西では、比較的暖かい気候のため、夏に稲作、冬に裏作として野菜を生産する二毛作が行なうところが多い。また、土づくりや苗づくりから防除、稲刈り、もみすり、出荷までの仕事を地域で共同で能率よく行う取り組みもある。
機械化に伴い、稲作の大規模経営化も進んでいるが、その一方で、米の生産過剰、消費量の減少、価格の低迷などから、経営を安定させるため、大豆・麦・そば・野菜・花きなどを栽培し、米以外からの収入を確保する動きも見られる。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
トラクター、田植機、防除機、コンバイン、軽トラック、普通自動車
主なタスク
- 収穫まで稲の生育を監視し、除草や水の管理をする。(実施率 1%)
- 苗を育てる。(実施率 1%)
- トラクターを運転し、水田を掘り起こして耕す。(実施率 1%)
- 収穫した米を出荷・販売する。(実施率 1%)
- 田植え機を運転し、田植えをする。(実施率 1%)
- 作物の成熟度と天候を考慮し、収穫時期を決める。(実施率 1%)
- コンバインなどの専用機械を運転して稲を刈り取り、同時に脱穀する。(実施率 1%)
- 病害虫予防のために農薬を散布する。(実施率 1%)
- 肥料を散布するなどして土づくりをする。(実施率 1%)
- 用水路や井戸を維持管理する。(実施率 1%)
- 乾燥後に籾摺り(もみすり)をする。(実施率 1%)
- 種子、肥料、農作機械、農機具などを選択し、購入する。(実施率 1%)
雇用形態(働いている人の割合)
労働条件の特徴
水稲作付農家のうち、主業農家は2割弱でその他の大多数は農業以外の仕事で働きながら稲作を行う兼業農家である(2020年時点*2)。稲の生育には、大雨や台風、異常気象などに対応した管理作業や、病気の予察・防除など、常に気を配らなければならず、決まった労働時間だけで対応できないことも多い。一方で、4月~10月の農繁期は農作業の進み具合に合わせて自分で休日を設定し、11月~3月の農閑期には、他の仕事をしながら自由に休暇を設定できるという利点もある。従来、稲作農業者の後継ぎはほぼ100%が農家出身者であったが、最近では、非農家の人が新規に稲作経営を開始できるようになっている。稲作農業生産法人(会社)への就業や、農村に移り住み、水田を借地契約して米づくりを始める例が見られる。コメ作りは機械化が進み作業が軽減されており、広い農地が確保できれば、安定した収入が得られる。
米は品種改良が盛んで、毎年様々な「新種米」が市場に出回り、生産者が独自ブランドを確立している。インターネットでの直接販売の方法も増えてきている。
*1 農林水産省 「農業労働力に関する統計」から
*2 農林水産省「稲作の現状とその課題について」農家数の推移から
稲作農業者の年収
稲作農業者の平均年収は361万円(令和7年賃金構造基本統計調査「農林漁業従事者」・全国)。中央値の目安は335万円、年収レンジは260〜588万円、上位10%は512万円です。
あなたの年収は、同じ年代の稲作農業者の中で上位何%?
入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。
稲作農業者の時給1,708円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の1.5倍です。都道府県別の最低賃金 →
年代別の年収推定
平均年収と平均年齢(49.1歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。
経験年数別の年収推定
雇用形態別の年収推定
年収の推移(統計の年ごと)
| 調査年 | 年収 | 就業者数 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 344万円 | — | — | — |
| 2022年 | 361万円 | — | — | — |
| 2023年 | 374万円 | — | 1.08倍 | 22.2万円 |
| 2024年 | 352万円 | — | 1.01倍 | 22.9万円 |
| 2025年 | 361万円 | — | 0.94倍 | 23.7万円 |
稲作農業者の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定
現在361万円 → 3年後 391万円 → 5年後 412万円 → 10年後 471万円(10年後の予想レンジ 405〜547万円)。年率の伸びは+2.7%と見ています。
年率の伸びの内訳
将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →
稲作農業者の将来性スコア
各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。
稲作農業者のAI代替リスク
AIによる仕事内容の変化
解説は準備中です。
AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →
稲作農業者の求人需要
有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。
稲作農業者に必要なスキル・資格
必要スキル
job tag のスキルのレベル(就業者の調査)。
必要な知識
仕事の中身(よく行う活動)
必要資格
- 大型特殊自動車運転免許 国家資格
job tag の「関連資格」。必須の資格か推奨の資格かは「就くには」の文で確かめてください。
学歴(働いている人の割合)
入職前の訓練期間
入職前の実務経験
なる難しさ:★★☆☆☆ やや易しい(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)
稲作農業者になるには(未経験からの方法)
就くには(job tag)
新規に就農しようとする場合は、相当の設備投資が必要になるため、「全国新規就農相談センター」では、農業に興味がある人のために農地・家屋情報や求人情報などを提供し、バックアップをしている。
稲作の基本的な知識や技術は、各農業法人が提供するインターンシップ制度を利用したり、農業高校や農業大学校、就農準備校などで稲作の技術と経営に関する研修を受けて身につけることができる。アルバイトを募集している農家で米作りの作業をし、稲作の技術と経営に関する知識を身に付ける方法もある。
稲作と他の作物との小規模な複合経営からはじめ、規模を拡大して稲作だけで安定した収入が得られるようになるには、少なくとも数年はかかる。
経営者となるには、米作りの専門知識と技術のほかに、経営管理能力も必要となる。
トラクターや軽トラックなどの運転のため「普通自動車免許」「大型特殊自動車免許」を取得していると有益である。
稲作農業者のキャリアルートと年収アップ方法
解説は準備中です。