自動運転開発エンジニア(自動車)

運送・運転 職業分類:02_006-04 信頼度 ★★★★☆

一般公道を走る自動車の自動運転に関する設計、開発、評価等を行う。

平均年収
725万円
レンジ 463〜1,315万円
最高年収の目安
1,315万円
上位10% 1,118万円
5年後の予想年収
810万円推定
2031年
10年後の予想年収
905万円推定
778〜1,050万円
将来性
55/100
★★★☆☆ ふつう
AI代替リスク
61%
高い
求人需要
高い
有効求人倍率 1.88倍

仕事内容

一般公道を走る自動車の自動運転に関する設計、開発、評価等を行う。自動運転車を開発する場合、最初の設計から最後のテスト走行まで仕事は多岐にわたる。自動車開発全体のプロジェクト責任者のもと、自動運転開発エンジニアは自動運転に関する設計、開発、評価等を担当する。
 自動車産業は完成車メーカーと直接取引する1次サプライヤー(ティア1サプライヤー:tier 1 supplier)、その下のサプライヤー(tier 2 supplier)、またその下のサプライヤー、等々とピラミッド構造になっているが、自動運転開発エンジニアは完成車メーカーとティア1サプライヤーで自動運転の開発を行っている。
 自動運転では周辺の状況を「認知」し、それに基づきどのような運転をするか「判断」し、実際に車を「操作」するという流れになるが、この中で、「認知」ではGPS、カメラ、ライダー(Lidar)等からの情報で周囲の状況や車の位置を認識し、「判断」では車の加速、減速、方向調整を決め、「操作」では実際に車の加速、減速、方向調整を行う。例えば、高速道路の走行において、カメラで車線を認識し(「認知」)、中央を走行するよう(「判断」)、方向調整を行う(「操作」)。車線は光の当たり方、車からみた角度等々、カメラでとらえた映像は実際には非常に様々となる。そのためAI(人工知能)の深層学習(deep learning)の技術を使い、様々な映像から正しく車線が認識できるよう学習させる。このように自動運転開発エンジニアは「認知」、「判断」、「操作」に関する開発を行うが、AI技術が大きな役割を果たしている。
 自動運転開発エンジニアのバックグラウンドは「メカ」(エンジン、操舵等の機械)、電子、電気の「エレクトロニクス」、AIを含めたDX技術の「ソフトウェア」が多く、共同して開発にあたる。大きな完成車メーカーの自動運転開発では、会社全体では数千名のエンジニアが開発に関わる。「メカ」、「エレクトロニクス」、「ソフトウェア」の中で最近の開発では「ソフトウェア」の比重が高まっている。
 開発では仕様の検討、基本設計、詳細設計と進める。既存の部品を組み合わせたり、新たな部品から装置を試作し、試作した装置が仕様を満たしているかテストする。試作した装置を品質、性能の面から入念に確認し、車に取り付けテストコース、公道でのテストを行う。なお、近年、実際の道路走行ではなく、道路や走行環境をコンピュータ内に再現し、その中でテストを行うことが多くなっている。このような様々なテストにおいて必要であれば設計を見直し、装置を作り直す。開発した装置と車両に問題が無くなり、量産体制に入る。
 車の事故は人命にかかわることから、2重化、3重化(「認知」、「判断」を同時に2系統、3系統で行い確実性を確保)の安全対策を行い、どこかに故障が生じても事故に至らないよう信頼性を高めている。また、自動運転の車の「認知」、「判断」、「操作」の過程はログが残されており、事故や不具合の際、どこに原因があったかわかるようにされている。自動運転がレベル3(条件付き自動運転。この条件以外は人間が操作)、レベル4(高速道路、限定地域等特定条件下における完全自動運転)となると、自動運転中の事故の責任は運転者ではなく車側が負うことになり、このログは重要である。自動運転開発エンジニアは万が一の事故や不具合が起こった場合は何が原因か究明し対応策を検討する。
 
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
 コンピュータ・シミュレーション、プログラミング言語、AI開発ソフトウェア、3D-CAD、データロガー、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン、スマートフォン

主なタスク

雇用形態(働いている人の割合)

労働条件の特徴

勤務先は自動車完成車メーカーかティア1サプライヤーであり、就業する地域は自動車メーカーが集中する関東、中部に多い。開発拠点が複数ある場合は転勤もある。スタートアップ企業が自動運転の社会実証実験を行っている場合もある。
 就業者数はどこまでを自動運転開発エンジニアとするかにもより、就業者人数の統計調査等もないが、大きな完成車メーカーでは1社で数千名規模のエンジニアがおり、ティア1サプライヤーにもそれぞれ数百名規模のエンジニアが居る。現状では男性の割合が多い。
 就業者は30代から50代が中心であるが、年齢層は幅広い。雇用形態は多くは正社員であるが、派遣の技術者や協力会社の技術者が出向し、開発に参加することもある。賃金は社内規定による月給制が多い。通常の朝から夕方までの勤務であるが、多くはフレックスタイム制や裁量労働制をとっている。休日は週休2日制が徹底されているが、開発の完成間近、また、開発に遅れが生じたり、問題点が見つかった場合など、残業が多くなることもある。長期連続休暇の制度を持つ会社もある。
 自動運転に関する法律やガイドラインの整備が国の内外で進められており、その展開に合わせ、また、それよりも先をいく技術開発が行われている。自動車は輸出、現地生産の比重が高いため、国際的な、あるいは各国の法律やガイドラインの整備が開発に影響する。
 自動運転はレベル1(運転支援。自動ブレーキ、車線からはみ出さない等)、レベル2(特定条件下での自動運転。車線を維持し前の車に追従等)、レベル3(条件付き自動運転。この条件以外は人間が操作)、レベル4(高速道路、限定地域等特定条件下における完全自動運転)、レベル5(完全自動運転)に分けられるが、現在、レベル2までは多く一般市販車で可能であり、レベル3の自動運転を実現した車の販売も始まっている。自動運転の技術は交通の安全性も高めることから、より安全でよりレベルの高い自動運転を巡って、世界各国の自動車メーカー、サプライヤーが競い合っており、開発の成否が各社の販売シェアを大きく左右し、さらには各国の自動車産業の盛衰にも繋がる。

自動運転開発エンジニア(自動車)の年収

自動運転開発エンジニア(自動車)の平均年収は725万円(令和7年賃金構造基本統計調査「輸送用機器技術者」・全国)。中央値の目安は675万円、年収レンジは463〜1,315万円、上位10%は1,118万円です。

平均年収
725万円
中央値(目安)
675万円
最低年収の目安
463万円
未経験・20代前半
上位10%
1,118万円
最高年収の目安
1,315万円
トップ層
時給(一般労働者)
3,358円
短時間労働者 2,057円
最低賃金との比
2.9倍
全国加重平均 1,177円(2026年度)
求人賃金(月額)
30.8万円
前年度比 +0.9万円

あなたの年収は、同じ年代の自動運転開発エンジニア(自動車)の中で上位何%?

歳 万円

入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。

自動運転開発エンジニア(自動車)の時給3,358円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.9倍です。都道府県別の最低賃金 →

年代別の年収推定

20代
534万円
30代
652万円
40代
757万円
50代
852万円

平均年収と平均年齢(41.4歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。

経験年数別の年収推定

未経験
528万円
1〜3年
594万円
3〜5年
659万円
5〜10年
745万円
10年以上
844万円

雇用形態別の年収推定

正社員 725万円パート・アルバイト 305万円フリーランス・自営 762万円契約社員・派遣社員 566万円

年収の推移(統計の年ごと)

調査年年収就業者数有効求人倍率求人賃金(月額)
2021年647万円———
2022年612万円———
2023年712万円—1.95倍28.6万円
2024年701万円—2.01倍29.9万円
2025年725万円—1.88倍30.8万円

平均年収・中央値・上位10%の見かた →

自動運転開発エンジニア(自動車)の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定

現在725万円 → 3年後 775万円 → 5年後 810万円 → 10年後 905万円(10年後の予想レンジ 778〜1,050万円)。年率の伸びは+2.2%と見ています。

725万円
現在
2026年
775万円
3年後
2029年
716〜843万円
810万円
5年後
2031年
730〜902万円
905万円
10年後
2036年
778〜1,050万円

年率の伸びの内訳

賃金の基本の伸び +1.8%求人需要(人手不足) +0.34%求人賃金の勢い +0.42%AIの影響 -0.33%合計 +2.2%/年

将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →

自動運転開発エンジニア(自動車)の将来性スコア

55/100
★★★☆☆
ふつう・全職業で192位
AI耐性
39点
参入障壁
58点
年収水準
89点
求人需要
68点
賃金の勢い
45点
人手不足(平均年齢)
19点

各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。

自動運転開発エンジニア(自動車)のAI代替リスク

61%
高い
AIに奪われにくい順で全職業中380位
非常に低い低い中程度高い非常に高い

AIによる仕事内容の変化

解説は準備中です。

AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →

自動運転開発エンジニア(自動車)の求人需要

有効求人倍率
1.88倍
全職業で165位
求人需要
高い
63/100
求人賃金(月額)
30.8万円
前年度比 +0.9万円
就業者数
—
国勢調査
平均年齢
41.4歳
労働時間
160時間/月
5年後の求人数
+6.4%
推定
10年後の求人数
+11.5%
推定

有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。

アメリカでは:エンジニア(その他)の年収・将来性

自動運転開発エンジニア(自動車)に当たるアメリカの職業「エンジニア(その他)」(米国の職業分類 17-2199)の年収の中央値は約1,933万円($122,930・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収725万円の2.7倍です。

日本:自動運転開発エンジニア(自動車)アメリカ:エンジニア(その他)
年収(日本=平均・米国=中央値)725万円1,933万円
$122,930
上位10%1,118万円2,987万円
$189,950
10年後の予想年収905万円2,623万円
$166,800
将来性スコア5557
AI代替リスク61% 高い35% 低い
求人需要求人倍率 1.88倍雇用の増減予測 +3.7%
2025–35・BLS
就業者数—15.4万人
時給(平均)3,358円
最低賃金の2.9倍
9,435円
$60.00
連邦最低賃金の8.3倍
最低賃金1,177円
全国加重平均・2026年度
1,140円
連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり
入職に必要な学歴(米国)—学士号(大卒)

米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→

世界では:専門職の平均月収を国別に比べる

自動運転開発エンジニア(自動車)は国際標準職業分類で「専門職」に入ります。133か国・地域の専門職の平均月収を円に直すと、日本は月42.6万円で36位、1位はルクセンブルクの月183万円です。アメリカは月136万円で日本の3.2倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は35位です。

1. ルクセンブルク
183万円
2. スイス
151万円
3. アメリカ
136万円
4. ベルギー
127万円
5. デンマーク
127万円
11. ノルウェー
113万円
13. フランス
108万円
14. ドイツ
99.6万円
16. シンガポール
81.6万円
18. イギリス
80.1万円
25. 韓国
56.5万円
36. 日本
42.6万円

「専門職」全体の平均で、自動運転開発エンジニア(自動車)だけの値ではありません(医師・看護師・薬剤師、エンジニア・プログラマー、教員、弁護士・会計士、記者・デザイナーなど。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は52.9万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。専門職の世界ランキングを全部見る →

自動運転開発エンジニア(自動車)に必要なスキル・資格

必要スキル

文章力
4.4
読解力
4.4
要件分析(仕様作成)
4.3
説明力
4.2
傾聴力
4.2
複雑な問題解決
4.1
論理と推論(批判的思考)
4.1
他者との調整
4.1

job tag のスキルのレベル(就業者の調査)。

必要な知識

設計
3.1
工学
3.0
機械
2.7
物理学
2.6
数学
2.5
コンピュータと電子工学
2.5
生産・加工
2.3
事務処理
2.2

仕事の中身(よく行う活動)

法律や規定、基準を適用する創造的に考える目標と戦略を策定する意思決定と問題解決を行う人間関係を構築し、維持する仕事を整理、計画する、優先順序を決める上司、同僚、部下とコミュニケーションを取るクオリティを判断する

必要資格

関連する資格はありません(資格が無くても就ける職業です)。

学歴(働いている人の割合)

入職前の訓練期間

入職前の実務経験

なる難しさ:★★★★☆ やや難しい(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)

自動運転開発エンジニア(自動車)になるには(未経験からの方法)

就くには(job tag)

入職にあたって特に学歴や資格は必要とされないが、新卒で入職する場合、工学、理学等を専攻していた大学院修士課程修了者が多い。中途採用の場合は自社にない技術を持っている家電メーカーや通信会社からが多く、同業の自動車メーカー、ティア1サプライヤーからの転職者も居る。
 新卒の場合、完成車メーカー、ティア1サプライヤーの開発エンジニアとして採用され、数ヶ月から半年程度の研修があり、同期入社のエンジニアの中から自動運転の開発部門に配属される。中途採用の場合は即戦力が求められる。経験を重ねより大きな開発が任されるようになり、一つの開発プロジェクトを任されるようになる。
 設計ソフト、シミュレーション・ソフト、AI開発ソフト等を使いこなすことが求められるが、これらのスキルは入社後、研修と実際の仕事の中で身につける。海外サプライヤーとの共同作業も多く、英語を読む、話すといった力が必要となる。中国語やドイツ語のドキュメントが開発に必要になることもある。
 報告書、マニュアル、設計基準、規格、法規等を読みこなし、理解できることが求められる。ミスは開発の遅れや事故に繋がることから、ミスが起きない開発体制がとられているが、本人にも注意深さが必要である。開発は数名から数十名のチームで行い、サプライヤーとの連携もあることから、何よりもまずコミュニケーション能力が求められる。必要な知識やスキルは後でも身に着けられる。自動車運転に関する研究開発は世界各国で盛んに行われており、最新情報の収集、新しい技術や装置に強い関心を持つことも重要である。

自動運転開発エンジニア(自動車)のキャリアルートと年収アップ方法

解説は準備中です。

年収・就業者数・労働時間・年齢・有効求人倍率は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っている公的統計(賃金構造基本統計調査・国勢調査・職業安定業務統計)の全国の値で、その職業が属する職業分類の統計です。将来予想年収・将来性スコア・AI代替リスクは仕事ずかんの予測モデルによる推定値で、保証するものではありません。 掲載内容の訂正のご依頼は、お問い合わせの「掲載内容の訂正の依頼」からご連絡ください。 データの見かた
出典:令和7年賃金構造基本統計調査「輸送用機器技術者」、2025年度 職業安定業務統計(職業中分類「07 製造技術者(開発)」)(e-Stat、2026/11/01取得。統計の分類は job tag「職業分類対応表」による)、職業情報データベース(JILPT)・直近更新 2021。将来予想・スコア・年収レンジは仕事ずかんの推定。