薬学研究者

技術・研究開発 職業分類:02_004-01 信頼度 ★★★★★

別名:医薬品研究者

製薬会社等の研究部門において、新しい医薬品を開発するための研究開発を行う。

平均年収
802万円
レンジ 497〜1,489万円
最高年収の目安
1,489万円
上位10% 1,260万円
5年後の予想年収
824万円推定
2031年
10年後の予想年収
847万円推定
728〜983万円
将来性
37/100
★★☆☆☆ 低め
AI代替リスク
67%
高い
求人需要
非常に低い
有効求人倍率 0.22倍

仕事内容

製薬会社等の研究部門において、新しい医薬品を開発するための研究開発を行う。
 医薬品の開発では、まず探索研究(基礎研究)として、化学合成、バイオテクノロジーやゲノム情報などを活用し、薬の候補となる新規物質を作り(医薬品候補物質)、その化学構造や物理的・化学的な特性から医薬品となる可能性を調べる。この基礎研究では、コンピュータにより物質の合成シミュレーションを行ったり、実際に医薬品の合成実験をしたりもする。さらに、関係分野の動向や最新の情報を調べたり、最新技術を用いたアプローチや社外リソースを活用した研究を行うことがある。ここまでの基礎研究がおおよそ2~3年とされる。
 次に3~5年かけ、選別された医薬品候補物質について、有効性、体内動態や安全性などを検討する(非臨床試験)。また、物質自体の品質、安全性に関する試験、臨床試験や市販に向けた製剤化の検討も行う。
 その後3~7年をかけて、ヒトでの有効性や安全性の確認を行う(臨床試験:治験)。これらの結果をもとに、国の審査を受け承認されると薬として認められる(2~3年)。
 薬学研究者はこの開発過程の中で主に基礎研究及び非臨床試験に従事する。
 実際の開発ではプロジェクトリーダー(主任研究員、課長クラス)と数人の薬学研究員がチームを作り、それぞれ役割を分担して1つのプロジェクトに数年をかけて研究、開発を行う。
 薬の開発は全体で10年以上かかることは珍しいことではない。当初の候補物質(合成化合物)が臨床試験等の開発段階を経て、承認取得に至るまでの確率は低い。業界団体調べによると、2019年~2023年の5カ年累計でみて、43万1,293の合成化合物に対し、承認取得段階に移行した数は14となっている。(2019~2023年*1)。薬品として製品化されるまでには長い年月が必要であり、自分の研究成果がなかなか形にならなくても、モチベーションを維持し続けることが必要となる。

*1 日本製薬工業協会 DATA BOOK 2025
「開発段階別化合物数と承認取得数 (日本)」から

◇ よく使う道具、機材、情報技術等
 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、オンライン会議ツール、パソコン

主なタスク

雇用形態(働いている人の割合)

労働条件の特徴

勤務先は基本的に企業や研究機関の研究所となる。製薬会社は大阪、都市圏や地方都市周辺等様々な地域に設置している。
 勤務時間は、週休2日、9時頃~17時頃の勤務が標準だが、研究内容によってはその時間帯以外での業務が発生する場合がある。また近年、裁量労働制やフレックスタイム制をとっているところが多い。
 製薬の研究・開発は長いスパンで行われることもあり、製薬会社は業績に関係なく毎年コンスタントに薬学研究者を採用している会社が多い。
 従来、化学合成により様々な新薬が誕生してきたが、完成度の高い薬が出揃い、供給も安定していることから、この手法での新薬開発は難しくなっているとされる。一方、ヒトが持つ遺伝子情報(ゲノム)をコンピュータで解析し、それを新しい医薬品の開発に応用するゲノム創薬や、ケミカルバイオロジー、またデジタルヘルスやAI・ビッグデータの医薬品開発への活用など新たな手法での革新的な治療創薬への取り組みが注目されており、今後画期的な医薬品が開発される可能性を秘めている。

薬学研究者の年収

薬学研究者の平均年収は802万円(令和7年賃金構造基本統計調査「研究者」・全国)。中央値の目安は746万円、年収レンジは497〜1,489万円、上位10%は1,260万円です。

平均年収
802万円
中央値(目安)
746万円
最低年収の目安
497万円
未経験・20代前半
上位10%
1,260万円
最高年収の目安
1,489万円
トップ層
時給(一般労働者)
4,002円
短時間労働者 2,253円
最低賃金との比
3.4倍
全国加重平均 1,177円(2026年度)
求人賃金(月額)
28.3万円
前年度比 +0.3万円

あなたの年収は、同じ年代の薬学研究者の中で上位何%?

歳 万円

入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。

薬学研究者の時給4,002円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の3.4倍です。都道府県別の最低賃金 →

年代別の年収推定

20代
571万円
30代
705万円
40代
825万円
50代
935万円

平均年収と平均年齢(42.5歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。

経験年数別の年収推定

未経験
577万円
1〜3年
652万円
3〜5年
727万円
5〜10年
824万円
10年以上
937万円

雇用形態別の年収推定

正社員 802万円パート・アルバイト 337万円フリーランス・自営 842万円契約社員・派遣社員 626万円

年収の推移(統計の年ごと)

調査年年収就業者数有効求人倍率求人賃金(月額)
2021年714万円———
2022年704万円———
2023年740万円—0.30倍27.7万円
2024年750万円—0.27倍28万円
2025年802万円—0.22倍28.3万円

平均年収・中央値・上位10%の見かた →

薬学研究者の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定

現在802万円 → 3年後 815万円 → 5年後 824万円 → 10年後 847万円(10年後の予想レンジ 728〜983万円)。年率の伸びは+0.5%と見ています。

802万円
現在
2026年
815万円
3年後
2029年
753〜887万円
824万円
5年後
2031年
743〜918万円
847万円
10年後
2036年
728〜983万円

年率の伸びの内訳

賃金の基本の伸び +1.8%求人需要(人手不足) -0.49%求人賃金の勢い -0.26%AIの影響 -0.51%合計 +0.5%/年

将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →

薬学研究者の将来性スコア

37/100
★★☆☆☆
低め・全職業で495位
AI耐性
33点
参入障壁
92点
年収水準
92点
求人需要
6点
賃金の勢い
3点
人手不足(平均年齢)
42点

各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。

薬学研究者のAI代替リスク

67%
高い
AIに奪われにくい順で全職業中414位
非常に低い低い中程度高い非常に高い

AIによる仕事内容の変化

解説は準備中です。

AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →

薬学研究者の求人需要

有効求人倍率
0.22倍
全職業で513位
求人需要
非常に低い
5/100
求人賃金(月額)
28.3万円
前年度比 +0.3万円
就業者数
—
国勢調査
平均年齢
42.5歳
労働時間
159時間/月
5年後の求人数
-2.8%
推定
10年後の求人数
-5.0%
推定

有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。

アメリカでは:医学研究者の年収・将来性

薬学研究者に当たるアメリカの職業「医学研究者」(米国の職業分類 19-1042)の年収の中央値は約1,626万円($103,410・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収802万円の2.0倍です。

日本:薬学研究者アメリカ:医学研究者
年収(日本=平均・米国=中央値)802万円1,626万円
$103,410
上位10%1,260万円2,796万円
$177,780
10年後の予想年収847万円2,194万円
$139,500
将来性スコア3764
AI代替リスク67% 高い63% 高い
求人需要求人倍率 0.22倍雇用の増減予測 +12.6%
2025–35・BLS
就業者数—17.2万人
時給(平均)4,002円
最低賃金の3.4倍
8,806円
$56.00
連邦最低賃金の7.7倍
最低賃金1,177円
全国加重平均・2026年度
1,140円
連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり
入職に必要な学歴(米国)—博士号・専門職学位(医師・弁護士など)

米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→

世界では:専門職の平均月収を国別に比べる

薬学研究者は国際標準職業分類で「専門職」に入ります。133か国・地域の専門職の平均月収を円に直すと、日本は月42.6万円で36位、1位はルクセンブルクの月183万円です。アメリカは月136万円で日本の3.2倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は35位です。

1. ルクセンブルク
183万円
2. スイス
151万円
3. アメリカ
136万円
4. ベルギー
127万円
5. デンマーク
127万円
11. ノルウェー
113万円
13. フランス
108万円
14. ドイツ
99.6万円
16. シンガポール
81.6万円
18. イギリス
80.1万円
25. 韓国
56.5万円
36. 日本
42.6万円

「専門職」全体の平均で、薬学研究者だけの値ではありません(医師・看護師・薬剤師、エンジニア・プログラマー、教員、弁護士・会計士、記者・デザイナーなど。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は52.9万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。専門職の世界ランキングを全部見る →

薬学研究者に必要なスキル・資格

必要スキル

読解力
5.9
文章力
5.7
説明力
5.5
外国語を読む
5.5
新しい情報の応用力
5.4
傾聴力
5.4
論理と推論(批判的思考)
5.4
継続的観察と評価
5.0

job tag のスキルのレベル(就業者の調査)。

必要な知識

医学・歯学
3.4
生物学
3.4
化学
3.1
外国語の語彙・文法
2.3
事務処理
2.3
日本語の語彙・文法
2.2
数学
1.6
法律学、政治学
1.6

仕事の中身(よく行う活動)

意思決定と問題解決を行う仕事に関連する知識を更新し、活用する上司、同僚、部下とコミュニケーションを取る目標と戦略を策定する情報やデータを分析する仕事を整理、計画する、優先順序を決める情報の整理と検知を行う情報を取得する

必要資格

job tag の「関連資格」。必須の資格か推奨の資格かは「就くには」の文で確かめてください。

学歴(働いている人の割合)

入職前の訓練期間

入職前の実務経験

なる難しさ:★★★★★ 難しい(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)

薬学研究者になるには(未経験からの方法)

就くには(job tag)

入職にあたって特に必要な資格はないが、薬学研究者になるには、大学の薬学部、理学部、獣医学部、農学部などで大学院まで進み、製薬会社、化粧品メーカー、国の研究機関などに就職するケースが多い。
 入職後は大学の専攻分野の研究だけではなく、他の分野の研究も行うことが多いため、専門を生かしながら創薬に関わる知識も身につけることができる。
 また、ラジオアイソトープ(放射性同位体)や危険物を取り扱うことから放射線取扱主任者や毒物劇物取扱責任者等の関連の資格が必要であるが、一般的には入職後に取得する。
 人事異動で研究以外の企画、特許、製品情報関連の部署に配属される場合がある。
 研究開発の実績により、大学に転出したり、製薬開発のベンチャー企業を興したりする者もいる。
 最新の専門知識を得たり、海外との情報交換を行うために、特に英語の語学力は不可欠である。また、研究には何年も要することが多く、探究心を持ち続けることが求められる。

薬学研究者のキャリアルートと年収アップ方法

解説は準備中です。

年収・就業者数・労働時間・年齢・有効求人倍率は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っている公的統計(賃金構造基本統計調査・国勢調査・職業安定業務統計)の全国の値で、その職業が属する職業分類の統計です。将来予想年収・将来性スコア・AI代替リスクは仕事ずかんの予測モデルによる推定値で、保証するものではありません。 掲載内容の訂正のご依頼は、お問い合わせの「掲載内容の訂正の依頼」からご連絡ください。 データの見かた
出典:令和7年賃金構造基本統計調査「研究者」、2025年度 職業安定業務統計(職業中分類「05 研究者」)(e-Stat、2026/11/01取得。統計の分類は job tag「職業分類対応表」による)、職業情報データベース(JILPT)・直近更新 2019。将来予想・スコア・年収レンジは仕事ずかんの推定。