3Dプリンター技術者

技術・研究開発 職業分類:12_080-05 信頼度 ★★★★★

ものづくりの現場などにおいて、デジタルデータをもとに3Dプリンターを操作し、金属、樹脂などさまざまな材料から立体物の試作品や製品を造形する。

平均年収
411万円
レンジ 295〜672万円
最高年収の目安
672万円
上位10% 585万円
5年後の予想年収
468万円推定
2031年
10年後の予想年収
533万円推定
459〜619万円
将来性
52/100
★★★☆☆ ふつう
AI代替リスク
35%
低い
求人需要
ふつう
有効求人倍率 1.67倍

仕事内容

ものづくりの現場などにおいて、デジタルデータをもとに3Dプリンターを操作し、金属、樹脂などさまざまな材料から、立体物の試作品や少量生産品を造形する。
 3Dプリンター技術はデジタル設計データをもとに、材料を一層ずつ積み重ねていく(=積層)ことにより、立体物を造形する製造技術であり、AM技術(アディティブ・マニュファクチャリング:付加製造、積層造形)と表現されることもある。3DプリンターはこのAM技術を応用した装置といえる。
 例えば、旋盤やフライス盤などに代表される従来からの切削加工は、切る・削ることで不要な部分を除去する製造技術である。これに対して、AM技術は立体物のスライスされた2次元の層を一枚ずつ積み重ねていく“足し算”式の製造技術といえる。国際的にはAM技術という表現が一般的だが、国内では3Dプリンター技術と呼ばれている。
 この製造技術は、オーディオ製品等の身の回りの民生機器、自動車関連部品、産業用ロボット部品などの試作品の製作、治具・工具の製作、最終製品の製造などに活用されている。活用される分野はこれらにとどまらず、住宅産業、航空産業、宇宙産業(ロケット、人工衛星)、防衛産業から、医療分野(人工骨・関節、心臓の弁、人工歯根など)、スポーツ分野のほか、ジュエリーデザインの業界など多岐にわたる。
 従来、製品の試作品を製作する際、金型を作る必要がある場合、数週間を要することも珍しくはなかった。3Dプリンター技術では試作受注から納入まで迅速に行え(早ければ即日~数日内)、試作品に対して顧客から手直しの要望があった場合もすぐに再提出できる。この試作品を迅速に製作できることが3Dプリンター技術の最大の強みと言える。
 また、複雑な形状の機械部品のように、従来であれば複数の組立の工程を要する部品についても、3Dプリンターで製作すると、部品の数が少なくて済み、誤差を低減できることに加え、作業の工程数を減らせる。
 試作品について顧客から寄せられる細かな要望に即応し、必要な数だけをオンデマンドで生産できるため在庫を抱えなくてもよく、また、従来は難しかった数種類の試作品を同時に提出することもできる。これらの強みは、ものづくりの現場において、生産工程の効率化・コスト削減、品質向上、設備や生産人員の最適化につながり、生産性の向上に大きく貢献できる。
 工程として重要なのは、まずは、造形物の設計図を3次元CADで作成し、そのデジタル設計データを3Dプリンター用のデータ形式・構造に変換し、出力・整合性チェックをする「前処理」と呼ばれるステップである。その上で実際にさまざまな造形方式により3Dプリンターで造形物を製作する。その後、造形物に付着したサポート材を除去し、造形物の表面の研磨やバリ取りなどの仕上げ加工を行う「後処理」と呼ばれる工程を経て完成品となる。
 一口に3Dプリンター技術といっても、実際には多くの造形方式がある。主なものとしては、液槽光重合、粉末床溶融結合、結合剤噴射、材料噴射、指向性エネルギー堆積、シート積層、材料押出など。更にこれらを組み合わせた新たな造形方式も開発されている。一般的に、一つの生産現場でこれら造形方式のすべてが活用されることはなく、製作する造形物に応じた方式及びプリンターが用いられる。
 主な素材として、樹脂や金属、セラミックなどが挙げられる。造形方式ごとに製造方法、材料や造形物のサイズ及び特性が異なり、3Dプリンターを取り扱う際は、製作する造形物に適した方式、製造方法及び材料を正しく選べる知識・技術が求められる。
 この3Dプリンター技術の魅力は、切削加工や金型成形などこれまで培われてきた製造技術の概念を大きく変え、AM技術でしか作れないものを設計しスピーディーに作ることができるようになったことにある。生産性の向上など企業行動・企業経営にまで大きく影響を与えうる技術と言える。従来と違う工法の技術を知ることや、その技術によりものづくりに携われることにやりがいや楽しさを感じるという現場の声も多い。

<就業希望者へのメッセージ>
 3Dプリンターは新しい造形方式が続々と登場し、新しい技術に触れながらものづくりができる楽しさがある仕事です。それには伝統のものづくりの技術も必要とされます。従来の「切削加工」で培われた熟練の技と、3Dプリンターの最先端のテクノロジーの両方を兼ねそろえたエンジニアが増えることで、日本のものづくりはもっと飛躍すると思います。(就業者 30代)
 「ものづくりのトップランナー」のプライドをもって取り組める大変やりがいのある仕事です。主力メーカーのほとんどが国外のため、展示会などの海外出張も多く、エンジニアとしての視野が広がります。(就業者 60代)
 経営層を説得して3Dプリンターの社内導入を実現させました。3Dプリンターは知識や技術だけでなくクリエイティブな発想が重要です。(就業者 50代)

◇よく使う道具、機材、情報技術等
 パソコン、3Dプリンター用クライアントソフト、データ修正ソフト(3DCAD)

労働条件の特徴

幅広いものづくり産業・分野に各種メーカーがあり、それぞれで3Dプリンター技術者が活躍している。関連するビジネスとして、3Dプリンターの販売を取り扱う代理店では、機器の保守・メンテナンスを合わせて行っているところもある。また、一社では持ち得ないさまざまな3Dプリンターや材料を有し、メーカーから試作品の製作を受注する会社や、3Dプリンターの企業への導入に向けたコンサルティングを行う会社もある。
 3Dプリンター技術に着目すると、技術者としての処遇となることから、各企業・組織内の技術者に対する幅の中での賃金処遇となる。また、ものづくりの製造現場では、素材としてケミカルな樹脂を取り扱う造形方式の場合などにおいて、匂いが気になる場面が見られることがある。
 将来性については、ものづくり技術のトップランナーとして、今も技術の進歩が著しく、これから大きくものづくり産業を変えていく可能性がある。

3Dプリンター技術者の年収

3Dプリンター技術者の平均年収は411万円(令和7年賃金構造基本統計調査「その他の製品製造・加工処理従事者(金属製品を除く)」・全国)。中央値の目安は382万円、年収レンジは295〜672万円、上位10%は585万円です。

平均年収
411万円
中央値(目安)
382万円
最低年収の目安
295万円
未経験・20代前半
上位10%
585万円
最高年収の目安
672万円
トップ層
時給(一般労働者)
2,013円
短時間労働者 1,215円
最低賃金との比
1.7倍
全国加重平均 1,177円(2026年度)
求人賃金(月額)
22.4万円
前年度比 +0.7万円

あなたの年収は、同じ年代の3Dプリンター技術者の中で上位何%?

歳 万円

入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。

3Dプリンター技術者の時給2,013円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の1.7倍です。都道府県別の最低賃金 →

年代別の年収推定

20代
315万円
30代
368万円
40代
413万円
50代
453万円

平均年収と平均年齢(44.0歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。

経験年数別の年収推定

未経験
312万円
1〜3年
345万円
3〜5年
378万円
5〜10年
420万円
10年以上
470万円

雇用形態別の年収推定

正社員 411万円パート・アルバイト 172万円フリーランス・自営 431万円契約社員・派遣社員 320万円

年収の推移(統計の年ごと)

調査年年収就業者数有効求人倍率求人賃金(月額)
2021年390万円———
2022年398万円———
2023年415万円—1.96倍20.9万円
2024年413万円—1.78倍21.7万円
2025年411万円—1.67倍22.4万円

平均年収・中央値・上位10%の見かた →

3Dプリンター技術者の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定

現在411万円 → 3年後 444万円 → 5年後 468万円 → 10年後 533万円(10年後の予想レンジ 459〜619万円)。年率の伸びは+2.6%と見ています。

411万円
現在
2026年
444万円
3年後
2029年
410〜483万円
468万円
5年後
2031年
422〜521万円
533万円
10年後
2036年
459〜619万円

年率の伸びの内訳

賃金の基本の伸び +1.8%求人需要(人手不足) +0.23%求人賃金の勢い +0.5%AIの影響 +0.11%合計 +2.6%/年

将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →

3Dプリンター技術者の将来性スコア

52/100
★★★☆☆
ふつう・全職業で241位
AI耐性
65点
参入障壁
28点
年収水準
26点
求人需要
55点
賃金の勢い
55点
人手不足(平均年齢)
68点

各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。

3Dプリンター技術者のAI代替リスク

35%
低い
AIに奪われにくい順で全職業中181位
非常に低い低い中程度高い非常に高い

AIによる仕事内容の変化

解説は準備中です。

AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →

3Dプリンター技術者の求人需要

有効求人倍率
1.67倍
全職業で230位
求人需要
ふつう
55/100
求人賃金(月額)
22.4万円
前年度比 +0.7万円
就業者数
—
国勢調査
平均年齢
44.0歳
労働時間
160時間/月
5年後の求人数
+9.9%
推定
10年後の求人数
+17.7%
推定

有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。

アメリカでは:工学系の技術者(その他)の年収・将来性

3Dプリンター技術者に当たるアメリカの職業「工学系の技術者(その他)」(米国の職業分類 17-3029)の年収の中央値は約1,232万円($78,350・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収411万円の3.0倍です。

日本:3Dプリンター技術者アメリカ:工学系の技術者(その他)
年収(日本=平均・米国=中央値)411万円1,232万円
$78,350
上位10%585万円1,861万円
$118,330
10年後の予想年収533万円1,664万円
$105,800
将来性スコア5259
AI代替リスク35% 低い35% 低い
求人需要求人倍率 1.67倍雇用の増減予測 +2.8%
2025–35・BLS
就業者数—6.0万人
時給(平均)2,013円
最低賃金の1.7倍
5,976円
$38.00
連邦最低賃金の5.2倍
最低賃金1,177円
全国加重平均・2026年度
1,140円
連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり
入職に必要な学歴(米国)—準学士号(短大卒)

米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→

世界では:技能工の平均月収を国別に比べる

3Dプリンター技術者は国際標準職業分類で「技能工」に入ります。133か国・地域の技能工の平均月収を円に直すと、日本は月32.7万円で29位、1位はベルギーの月101万円です。アメリカは月84.6万円で日本の2.6倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は26位です。

1. ベルギー
101万円
2. デンマーク
100万円
3. スイス
99.9万円
4. アイスランド
96.4万円
5. ノルウェー
92.7万円
8. アメリカ
84.6万円
12. フランス
67.9万円
14. ドイツ
65.1万円
15. イギリス
61.6万円
21. 韓国
45.2万円
28. シンガポール
33万円
29. 日本
32.7万円

「技能工」全体の平均で、3Dプリンター技術者だけの値ではありません(大工・左官・電気工事士などの建設の職人、溶接工・板金工・整備士、食品・製品づくりの職人など。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は39.3万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。技能工の世界ランキングを全部見る →

3Dプリンター技術者に必要なスキル・資格

必要資格

job tag の「関連資格」。必須の資格か推奨の資格かは「就くには」の文で確かめてください。

なる難しさ:★★☆☆☆ やや易しい(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)

3Dプリンター技術者になるには(未経験からの方法)

就くには(job tag)

この仕事をするに当たって必要な学歴や必須の資格はない。関連の資格に「3Dプリンター活用技術検定試験」がある。学卒の新規採用者の場合、最初から3Dプリンター技術者を目指すことは少なく、一般的な人事異動・配属の一環としてものづくりの部署に配属され、適性を見ながら経験を積んでいくケースが多い。また、3Dプリンターだけ扱うということはなく、業務の一つとして3Dプリンターに携わる者も多い。ある程度汎用性が利くものづくりの技術であることから、経験を積むと転職や中途採用のときに有利である。
 ものづくりの現場で活用される技術であることから、これまでの切削加工などの知識・経験があると、現場での3Dプリンターの取扱いがよりスムーズである。大別して切削加工、金型成形、AM技術(3Dプリンター技術)のそれぞれの特徴を知っていると日常の作業に役立つ。
 3Dプリンターの中で材料噴射方式や材料押出方式のものは、操作は特段難しくなく、産業デザイナーが自ら3Dプリンターを扱うこともよくある。必要な知識としては、造形方式・工法、材料による工程の違いに関する理解の他、安全確保についても学ぶ必要がある。3Dプリンターではよく使われる材料や洗浄剤の中には、可燃性溶剤や粉塵爆発、発火しやすい金属があり、安全への意識と知識が不可欠である。
 学校時代の文系、理系は問われないが、機械に触れることが好きなことや、年々進歩を遂げる3Dプリンターの先進技術を学ぶことに積極的であり、興味を持つ人が向いている。現場において経験を積みながら、造形物の設計図を作成するためのデータ修正ソフトの活用を習得していく。また、完成品のできあがりの善し悪しを見る目が養われていくと、製品の完成度が上がる。

3Dプリンター技術者のキャリアルートと年収アップ方法

解説は準備中です。

年収・就業者数・労働時間・年齢・有効求人倍率は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っている公的統計(賃金構造基本統計調査・国勢調査・職業安定業務統計)の全国の値で、その職業が属する職業分類の統計です。将来予想年収・将来性スコア・AI代替リスクは仕事ずかんの予測モデルによる推定値で、保証するものではありません。 掲載内容の訂正のご依頼は、お問い合わせの「掲載内容の訂正の依頼」からご連絡ください。 データの見かた
出典:令和7年賃金構造基本統計調査「その他の製品製造・加工処理従事者(金属製品を除く)」、2025年度 職業安定業務統計(職業中分類「53 製品製造・加工処理従事者(金属製品を除く)」)(e-Stat、2026/11/01取得。統計の分類は job tag「職業分類対応表」による)、職業情報データベース(JILPT)・直近更新 2025。将来予想・スコア・年収レンジは仕事ずかんの推定。