企業法務担当

事務 職業分類:06_035-01 信頼度 ★★★★★

別名:企業法務事務員

企業活動に伴う法的リスクの最小化など、企業が直面する法律問題への対処を担当する。

平均年収
529万円
レンジ 364〜900万円
最高年収の目安
900万円
上位10% 776万円
5年後の予想年収
555万円推定
2031年
10年後の予想年収
582万円推定
501〜676万円
将来性
40/100
★★☆☆☆ 低め
AI代替リスク
86%
非常に高い
求人需要
低い
有効求人倍率 0.34倍

仕事内容

企業活動にともなう法的リスクの最小化など、企業が直面する法律問題への対処を担当する。相当程度の法律知識と会社の業務全般に対する理解をベースに、現実的な問題解決へと導く仕事である。
 かつては総務部や庶務部の一部門としての位置付けであったが、最近では、企業経営における法務の重要性が高まる中、特に大企業の場合は「法務部」「法務室」など独立した組織となっているところがほとんどである。
 その担当業務を具体的にみると、まず、「企業業務に関する法律的サポート」であり、①各種契約書の作成、審査及び締結交渉への関与、②担保管理、建設プロジェクト運営等の不動産管理、③ライセンスの取得・使用許認可、商標調査等の知的財産管理、そして④各部門からの法律相談、訴訟・係争への対応がこれに含まれる。次いで、⑤株主総会や取締役会の実施に係る総務部門サポート、⑥証券の発行・管理、配当金支払い、取引所への報告、⑦新入社員教育等の社内・グループ向け教育、勉強会の実施、といった「定例的業務」もある。さらに、⑧内部統制、コンプライアンスプログラムの策定など、コーポレートガバナンス体制の構築・維持を通じた「リスクマネジメント」も担当する。加えて、⑨顧問弁護士や外部の専門家との相談、官公庁との交渉や、⑩立法・判例動向の調査・分析、社内への適切なフィードバックも、日常的な業務である。
 企業活動にともなう法的リスクへの対応の態様から、リスク実体化への対症対応である「臨床法務」、リスク実体化を防ぐ「予防法務」、企業価値を高める意思決定をサポートする「戦略法務」に区分する見方がある。上記のうち、例えば、④は臨床法務の、⑦は予防法務の、①のうち企業合併・買収、包括的な業務提携に係る契約に関することや⑧は戦略法務の、それぞれ色合いが濃い業務であるが、最近では、企業法務部門の役割として予防法務、戦略法務の重要度が増しており、コンプライアンス、知的財産、内部監査などの業務を「コンプライアンス推進室」や「内部監査室」など専門の部署を設置して担当させるところが大企業を中心に増える傾向がみられる。

◇ よく使う道具、機材、情報技術等
 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、オンライン会議ツール、パソコン

主なタスク

雇用形態(働いている人の割合)

労働条件の特徴

基本的に企業の正社員であり、労働条件は勤務先の規定が適用され、法務担当独自の処遇があるわけではない。残業は株主総会前や個別事案がある等の事情がなければ多くはなく、1日当たり1~2時間(月20~30時間)程度である。
 法務担当の数は1社当たり約9人、その配属ルート別内訳は、他部門からの異動者と法務部門一筋の法務プロパーが約半数ずつとなっているが、担当者数及びそのうちのプロパー割合は増加傾向と言われている。これは、上記の「予防法務、戦略法務の重要度増大」といった企業法務業務の複雑化等を反映したものと考えられる。
 このことは、法務担当の採用にも影響を与えており、現在はそれほど多くはない弁護士資格保有者や法科大学院修了者の中途採用が特に大規模企業を中心に増加する傾向にある。これら中途人材採用は、即戦力、少ないコストでの戦力化、社外弁護士のコスト削減、訴訟対応や経営陣からの信頼などのメリットがある半面、企業文化や企業風土への理解、組織人としての意識、ビジネスセンスの向上などが課題となると認識されている。

企業法務担当の年収

企業法務担当の平均年収は529万円(令和7年賃金構造基本統計調査「その他の一般事務従事者」・全国)。中央値の目安は492万円、年収レンジは364〜900万円、上位10%は776万円です。

平均年収
529万円
中央値(目安)
492万円
最低年収の目安
364万円
未経験・20代前半
上位10%
776万円
最高年収の目安
900万円
トップ層
時給(一般労働者)
2,686円
短時間労働者 1,499円
最低賃金との比
2.3倍
全国加重平均 1,177円(2026年度)
求人賃金(月額)
22.2万円
前年度比 +0.8万円

あなたの年収は、同じ年代の企業法務担当の中で上位何%?

歳 万円

入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。

企業法務担当の時給2,686円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.3倍です。都道府県別の最低賃金 →

年代別の年収推定

20代
394万円
30代
468万円
40代
532万円
50代
589万円

平均年収と平均年齢(44.0歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。

経験年数別の年収推定

未経験
395万円
1〜3年
440万円
3〜5年
484万円
5〜10年
542万円
10年以上
609万円

雇用形態別の年収推定

正社員 529万円パート・アルバイト 222万円フリーランス・自営 555万円契約社員・派遣社員 412万円

年収の推移(統計の年ごと)

調査年年収就業者数有効求人倍率求人賃金(月額)
2021年440万円———
2022年437万円———
2023年478万円—0.36倍20.7万円
2024年481万円—0.35倍21.4万円
2025年529万円—0.34倍22.2万円

平均年収・中央値・上位10%の見かた →

企業法務担当の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定

現在529万円 → 3年後 544万円 → 5年後 555万円 → 10年後 582万円(10年後の予想レンジ 501〜676万円)。年率の伸びは+1.0%と見ています。

529万円
現在
2026年
544万円
3年後
2029年
502〜592万円
555万円
5年後
2031年
500〜618万円
582万円
10年後
2036年
501〜676万円

年率の伸びの内訳

賃金の基本の伸び +1.8%求人需要(人手不足) -0.43%求人賃金の勢い +0.68%AIの影響 -1.08%合計 +1.0%/年

将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →

企業法務担当の将来性スコア

40/100
★★☆☆☆
低め・全職業で458位
AI耐性
14点
参入障壁
80点
年収水準
54点
求人需要
12点
賃金の勢い
73点
人手不足(平均年齢)
68点

各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。

企業法務担当のAI代替リスク

86%
非常に高い
AIに奪われにくい順で全職業中531位
非常に低い低い中程度高い非常に高い

AIによる仕事内容の変化

解説は準備中です。

AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →

企業法務担当の求人需要

有効求人倍率
0.34倍
全職業で463位
求人需要
低い
25/100
求人賃金(月額)
22.2万円
前年度比 +0.8万円
就業者数
—
国勢調査
平均年齢
44.0歳
労働時間
155時間/月
5年後の求人数
-3.2%
推定
10年後の求人数
-5.8%
推定

有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。

アメリカでは:法律関係の補助職(その他)の年収・将来性

企業法務担当に当たるアメリカの職業「法律関係の補助職(その他)」(米国の職業分類 23-2099)の年収の中央値は約1,134万円($72,110・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収529万円の2.1倍です。

日本:企業法務担当アメリカ:法律関係の補助職(その他)
年収(日本=平均・米国=中央値)529万円1,134万円
$72,110
上位10%776万円2,830万円
$179,960
10年後の予想年収582万円1,470万円
$93,500
将来性スコア4046
AI代替リスク86% 非常に高い55% 中程度
求人需要求人倍率 0.34倍雇用の増減予測 −0.3%
2025–35・BLS
就業者数—4.7万人
時給(平均)2,686円
最低賃金の2.3倍
6,762円
$43.00
連邦最低賃金の5.9倍
最低賃金1,177円
全国加重平均・2026年度
1,140円
連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり
入職に必要な学歴(米国)—準学士号(短大卒)

米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→

世界では:事務職の平均月収を国別に比べる

企業法務担当は国際標準職業分類で「事務職」に入ります。133か国・地域の事務職の平均月収を円に直すと、日本は月36万円で26位、1位はルクセンブルクの月129万円です。アメリカは月70.6万円で日本の2.0倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は21位です。

1. ルクセンブルク
129万円
2. スイス
106万円
3. ベルギー
101万円
4. デンマーク
95.4万円
5. アイスランド
87.2万円
7. ノルウェー
78.6万円
11. アメリカ
70.6万円
13. フランス
63.6万円
14. ドイツ
63万円
17. 韓国
55.5万円
20. イギリス
47.2万円
26. 日本
36万円

「事務職」全体の平均で、企業法務担当だけの値ではありません(一般事務・経理事務・営業事務、受付、データ入力、窓口など。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は45.1万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。事務職の世界ランキングを全部見る →

企業法務担当に必要なスキル・資格

必要スキル

傾聴力
5.5
読解力
5.3
文章力
5.3
説明力
5.1
他者との調整
4.7
説得
4.5
論理と推論(批判的思考)
4.4
交渉
4.3

job tag のスキルのレベル(就業者の調査)。

必要な知識

法律学、政治学
3.8
事務処理
3.0
日本語の語彙・文法
2.9
ビジネスと経営
2.3
外国語の語彙・文法
2.0
公衆安全・危機管理
1.8
経済学・会計学
1.7
顧客サービス・対人サービス
1.6

仕事の中身(よく行う活動)

法律や規定、基準を適用する仕事に関連する知識を更新し、活用する組織外の人々とコミュニケーションを取る情報を取得する意思決定と問題解決を行う上司、同僚、部下とコミュニケーションを取る仕事を整理、計画する、優先順序を決める人間関係を構築し、維持する

必要資格

関連する資格はありません(資格が無くても就ける職業です)。

学歴(働いている人の割合)

入職前の訓練期間

入職前の実務経験

なる難しさ:★★★★☆ やや難しい(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)

企業法務担当になるには(未経験からの方法)

就くには(job tag)

この仕事に就くために特に学歴や資格は必要とされないが、大学・大学院卒がほとんどである。専攻分野は法律が圧倒的に多いが、他の文系や理系もいる。主な配属ルートは、社内他部門からの異動、新卒者の配置であり、中途採用者は少ない。全体的には、企業規模が大きいほど中途採用者の比率が低く、法務部に初任配属して、他部門への異動をしない企業法務プロパーとして育てる傾向が強い。社内他部門からの異動者の経験業務としては営業、総務、人事・労務、経理・財務など多様である。
 配属後は、OJT、部内セミナー・ワークショップ、社外の各種研修参加等を通じて教育・育成が行われる。海外ロースクールへの留学、海外グループ会社での業務研修を実施する例もある。独り立ちまで8年前後というのが一般的とされる。
 法律知識の広さ・深さだけではなく、それを実務に適用して解決に導く力(問題発見能力、分析力、バランス感覚、高いコミュニケーション能力、ビジネスセンスなど)や積極的な行動力、そして最期までやり抜く強い意志と柔軟さが求められる。なお、国内担当でも英語力は必須である。

企業法務担当のキャリアルートと年収アップ方法

解説は準備中です。

年収・就業者数・労働時間・年齢・有効求人倍率は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っている公的統計(賃金構造基本統計調査・国勢調査・職業安定業務統計)の全国の値で、その職業が属する職業分類の統計です。将来予想年収・将来性スコア・AI代替リスクは仕事ずかんの予測モデルによる推定値で、保証するものではありません。 掲載内容の訂正のご依頼は、お問い合わせの「掲載内容の訂正の依頼」からご連絡ください。 データの見かた
出典:令和7年賃金構造基本統計調査「その他の一般事務従事者」、2025年度 職業安定業務統計(職業中分類「25 一般事務従事者」)(e-Stat、2026/11/01取得。統計の分類は job tag「職業分類対応表」による)、職業情報データベース(JILPT)・直近更新 2019。将来予想・スコア・年収レンジは仕事ずかんの推定。