水産養殖従事者
別名:うなぎ養殖作業員、金魚養殖作業員、鯉養殖作業員、たい養殖作業員、はまち養殖作業員、ふぐ養殖作業員、かき養殖作業員、しじみ養殖作業員
主に食用の魚類・貝類・海藻類などの水産物を、人工的に管理・育成し出荷する。
仕事内容
養殖は海だけでなく川や湖、陸上でも行われている。対象とする生物の種類や、水面で飼育するのか、陸上水槽で飼育するのかなどにより養殖方法が大きく異なり、具体的な作業も様々である。
魚類の養殖は、水面では網イケス、陸上ではプールのように大きな水槽を設置し、自然の海水や人工的に調整した塩水で行う。毎日の作業は専用に開発された餌を与えることが中心で、イケス網の場合には定期的に網の清掃を行ったり、網を交換したりといった作業があるほか、台風や赤潮の時にはイケスごと安全な場所に避難させたり、イケスを沈下させなければならない。陸上水槽の場合は、底面に堆積する糞や餌の残りなどを定期的に除去する。
また、人工的に受精させた人工稚魚を用いる場合には、親魚を養成し、産卵・受精させたふ化仔魚に水槽で培養したプランクトンなどを与えて、ある程度の大きさの稚魚まで育ててから養殖場に移す(種苗生産)。
貝類は、種苗(しゅびょう)を容器に収容したり、付着器につけた状態で筏(いかだ)や延縄(はえなわ)から海中につるす垂下式養殖のほか、種苗を海底に撒いて養殖する地まき式養殖がある。容器や付着器の付着生物を清掃したり、成長に応じて容器を交換したり、飼育密度を調節する作業がある。ノリやワカメなどの海藻類は、カキなどの貝殻を利用し、種を付けて栽培養殖する。
生き物を育てる作業なので、その性質をよく知ったうえで、健全に生育するよう水温、水質、プランクトンの発生状況などの環境に常に気を配り、品質管理に注意を払う。必要に応じて投薬、消毒、清掃などを行う。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
網、筏(いかだ)、延縄(はえなわ)、普通自動車(普通免許(第一種、第二種)で運転可能なもの)◇ よく使う道具、機材、情報技術等
労働条件の特徴
養殖する生物の種類によって特定の地域に産地が形成されており、海産魚類や真珠養殖は西日本、ホタテガイ養殖は北海道と青森、カキ養殖は宮城と広島、ウナギ養殖は静岡、愛知、鹿児島、ノリ類は九州、昆布は北海道などで多く行われている。養殖場は広い敷地や良好な飼育水を必要とするため、沿岸漁業地域や郊外などに多くある。
労働時間は、収穫時や出荷時には長くなる一方、作業の少ない時期もあり、網やイケスの修理を行ったりする。生物の飼育作業が主体なので、病害発生時や台風による天候の急変などの緊急時には、24時間体制での対応が必要となる。
勤務時間は海面養殖では早朝から昼頃まで、陸上養殖では午前8時ぐらいから午後5時ぐらいまでが一般的である。生き物が相手の仕事なので、勤務が不規則になることが多い。出勤後稚魚やイケスの確認(水槽・設備・機器の点検、保守作業)の後、餌の投与や漁獲、そして出荷作業、事務などをして終業するというのが一日の仕事の流れとなっている。
屋外の作業がほとんどで、特に海面養殖の場合は海上作業が中心となる。
生育の良否が育成環境に左右されやすいこと、年ごとの需給バランスの変化によって生産物価格が変動しやすいことから、年によって収入に変動がある。
最近では、刺し身やすしでの変色を抑制するために餌にかんきつ系の果実を混ぜて育てたブランド魚、成長を早めるため温泉水によるトラフグやスッポンの養殖、自然界に放流するための稚魚の生産・養殖、大型回遊魚の養殖、また、貝類や成魚の陸上養殖の研究など、新しい水産養殖が注目されている。
水産養殖従事者の年収
水産養殖従事者の平均年収は361万円(令和7年賃金構造基本統計調査「農林漁業従事者」・全国)。中央値の目安は335万円、年収レンジは260〜588万円、上位10%は512万円です。
あなたの年収は、同じ年代の水産養殖従事者の中で上位何%?
入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。
水産養殖従事者の時給1,708円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の1.5倍です。都道府県別の最低賃金 →
年代別の年収推定
平均年収と平均年齢(49.1歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。
経験年数別の年収推定
雇用形態別の年収推定
年収の推移(統計の年ごと)
| 調査年 | 年収 | 就業者数 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 344万円 | — | — | — |
| 2022年 | 361万円 | — | — | — |
| 2023年 | 374万円 | — | 1.25倍 | 23.4万円 |
| 2024年 | 352万円 | — | 1.20倍 | 23.5万円 |
| 2025年 | 361万円 | — | 1.22倍 | 23.9万円 |
水産養殖従事者の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定
現在361万円 → 3年後 386万円 → 5年後 403万円 → 10年後 450万円(10年後の予想レンジ 387〜523万円)。年率の伸びは+2.2%と見ています。
年率の伸びの内訳
将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →
水産養殖従事者の将来性スコア
各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。
水産養殖従事者のAI代替リスク
AIによる仕事内容の変化
解説は準備中です。
AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →
水産養殖従事者の求人需要
有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。
アメリカでは:畜産・養殖の作業員の年収・将来性
水産養殖従事者に当たるアメリカの職業「畜産・養殖の作業員」(米国の職業分類 45-2093)の年収の中央値は約577万円($36,670・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収361万円の1.6倍です。
| 日本:水産養殖従事者 | アメリカ:畜産・養殖の作業員 | |
|---|---|---|
| 年収(日本=平均・米国=中央値) | 361万円 | 577万円 $36,670 |
| 上位10% | 512万円 | 850万円 $54,080 |
| 10年後の予想年収 | 450万円 | 764万円 $48,600 |
| 将来性スコア | 45 | 47 |
| AI代替リスク | 15% 非常に低い | 20% 非常に低い |
| 求人需要 | 求人倍率 1.22倍 | 雇用の増減予測 −3.2% 2025–35・BLS |
| 就業者数 | — | 3.3万人 |
| 時給(平均) | 1,708円 最低賃金の1.5倍 | 2,830円 $18.00 連邦最低賃金の2.5倍 |
| 最低賃金 | 1,177円 全国加重平均・2026年度 | 1,140円 連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり |
| 入職に必要な学歴(米国) | — | 学歴不問 |
米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→
世界では:農林漁業の平均月収を国別に比べる
水産養殖従事者は国際標準職業分類で「農林漁業」に入ります。130か国・地域の農林漁業の平均月収を円に直すと、日本は月26.8万円で29位、1位はアイスランドの月153万円です。アメリカは月56.1万円で日本の2.1倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は27位です。
「農林漁業」全体の平均で、水産養殖従事者だけの値ではありません(農業・林業・漁業・畜産の仕事。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は30.1万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。農林漁業の世界ランキングを全部見る →
水産養殖従事者に必要なスキル・資格
必要資格
job tag の「関連資格」。必須の資格か推奨の資格かは「就くには」の文で確かめてください。
なる難しさ:★★☆☆☆ やや易しい(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)
水産養殖従事者になるには(未経験からの方法)
就くには(job tag)
養殖業を営む企業に就職し、必要な知識や技術を学ぶのが一般的である。後継者不足が全国共通の課題になっており、漁業協同組合が後継者を募集している地域もある。
入職後は、多くの場合、特別な教育訓練などは受けずに職場の熟練者等の指導を受けながら作業を行い、経験と訓練を積むにしたがって自らの判断で仕事ができるようになる。日々の観察、想定外のトラブルに備える方法など学ぶべきことは多い。生物学的知識などについては、自らの力で学ぶ姿勢も要求される。
漁業協同組合に入り、区画漁業権を得ると独立開業も可能である。独立する場合は、小型船を所有して個人で仕事をするので小型船舶操縦士免許などが必要となる。
生き物に対する興味、悪天候下などの厳しい環境条件でも作業ができる一定の体力、水質や水温を適切に管理する能力が要求される。
水産養殖従事者のキャリアルートと年収アップ方法
解説は準備中です。