アニメ制作進行管理

クリエイティブ 職業分類:06_035-99 信頼度 ★★★★★

アニメ制作の工程をスケジュールに沿って進めていくために、作画作業の割振り、作業の進捗状況の把握、各作業担当者との連絡調整、予算の管理などを行う。

平均年収
529万円
レンジ 364〜900万円
最高年収の目安
900万円
上位10% 776万円
5年後の予想年収
586万円推定
2031年
10年後の予想年収
650万円推定
559〜755万円
将来性
47/100
★★☆☆☆ ふつう
AI代替リスク
45%
中程度
求人需要
低い
有効求人倍率 0.34倍

仕事内容

アニメ制作の工程をスケジュールに沿って進めていくために、作画作業の割振り、進捗状況の把握、各作業担当者との連絡調整、予算の管理などを行う。
 アニメの制作は、放送や配信など決められた公開日(もしくは納品日)に向けて、多くの専門職が分担して作業を進めていくのが一般的であり、緻密なスケジュール管理と関係者間の連携を円滑に進めるための連絡調整が不可欠である。アニメ制作進行管理の仕事は、制作プロジェクト全体を統括するプロデューサーや作品の総責任者である監督の方針のもとに、工程がスケジュール通り進むよう進捗管理を行うことである。作品全体の制作進行管理の責任者である制作デスクの下に、作品の一定部分(テレビアニメであれば各話など)の担当が置かれることが多く、以下では、このような担当者(以下、「制作進行」という。)の仕事について述べる。
 アニメ作品が世の中に出るまでには、企画・基本的な設定・主要スタッフの決定・製作委員会の組織化・資金調達などの段階、作品を構成する各素材の制作から撮影・編集を経て完成するまでの段階、完成した作品の放送・配信・上映や関連商品・イベント等の展開、など多くのプロセスがあるが、制作進行は主に作品の制作過程で仕事をする。
 まず、監督をはじめとする主要スタッフが、作品全体の流れや構成、キャラクター設定などの基本的な方向性を決定し、各話の構成、脚本、作画、美術、撮影、音響など各部門の担当者と打ち合わせを重ねながら細部を詰め、場面ごとの設計図に当たる絵コンテを作成する。制作進行は、絵コンテに基づいて、担当する各話に必要な素材や作業の見積りや割振りを行い、スタッフを確保し、具体的な作業スケジュールを立てる。
 制作プロダクションや監督の方針などにより制作進行の仕事の範囲や進め方はさまざまであるが、一般的には、まず、絵コンテをもとに、香盤表と呼ばれる作業進行のための総括表と、各シーンをカットに割って作画担当者を指定するシーン割表、作業のスケジュール表を作成する。必要な原画、動画、背景等の数を見積り、納期までに作品を完成させるためのスケジュールを組み立て、スタッフごとの作業の割振りを行う。作画を担当するスタッフ(アニメーター)は制作デスクが確保することもあるが、経験を積んだ制作進行に任されることも多い。自社内だけでなく、フリーランスのアニメーターや海外企業も含め、社外にも多くの作業を発注する。
 制作作業が始まったら、スケジュール表に基づいて各工程の進捗状況をこまめにチェックする。例えば、原画制作の作業が滞ると、その後の動画制作や撮影、編集等のスケジュールに余裕がなくなるなど、前の工程の進捗が後ろの工程に影響するため、全体を見渡しながら関係者と調整し、必要に応じてスケジュールの修正を行う。作画担当者から提出された素材は回収して演出・作画監督のチェックを受け、修正点をフィードバックする。演出・作画監督のOKが出れば、とりまとめて次の工程に送る。近年は作業のデジタル化が進んでいるが、すべてがデータでやりとりされるわけではなく、紙で提出された素材を回収に出向き、スキャンしてデータ化したり、カットごとに素材を袋に入れて整理・保管するといった作業もある。
 仕上げという着色作業が終わった素材や背景素材を撮影に入れ、その後の編集、音入れなどの作業も円滑に進むよう関係者間の連絡調整に当たる。撮影後の映像素材を監督や演出をはじめとする関係者が見て修正部分を見つけるラッシュチェックにより指示されたリテイク作業 を一覧表にまとめ、効率よく修正作業が行われるよう進行管理をする。ここが制作進行の仕事の後半の山場である。これらのリテイクが反映されたマスター映像に入れるスタッフクレジット(役職・名前のリスト)を準備し、最終のクライアントチェック を経て、公開される映像が完成する。
 打合せ会議の設定や会議資料の作成、素材の整理・保管、経費の精算などの事務的な仕事も作業を円滑に進めるために重要である。
 テレビアニメの場合、一般的に1クール(3か月)の放送話数は30分枠12話前後であるので、制作進行は並行して複数話数を担当することが多く、1話分が完成して納品した後も次の担当分について同様に仕事を進めることになる。映画の場合は、より長期の制作スケジュールとなることが多い。納期が厳しく時間に追われることも多い仕事であるが、担当した作品が完成し、反響に手応えを感じた時などの達成感は大きい。

参考資料
「TVアニメシリーズ制作における制作進行のマニュアル」日本動画協会人材育成委員会

◇よく使う道具、機材、情報技術等
 パソコン、タブレット、文書作成ソフト、画像処理ソフト、カット袋

労働条件の特徴

職場となるアニメの制作プロダクションは東京を中心に主に都市部に立地している。制作工程や業務上の打合せはリモート化が進んでいるが、制作進行の仕事は多くの関係者との連絡調整が中心となるので、機動的に対応できるよう出社することが多い。正社員のほか、契約社員としての採用、業務委託契約として募集されていることもある。
 就業者は比較的若い年齢層が多く、男女を問わず活躍している。
 賃金・労働条件は会社の規定による。賃金はおおむね各社の事務職の体系によることが多い。労働時間帯はやや夜型になる傾向がある。アニメの現場は、納期の厳しさや作品のクオリティへのこだわりなどにより慢性的な長時間労働となることが多かったが、近年は人材確保のためにも業界全体として働き方の改善に向けた取り組みが進んでいる。しかし、作業の遅れが生じた場合や納期の直前などに残業が多くなりがちである。
 近年、アニメは日本を代表する文化のひとつとして広く認知されている。日本のアニメ産業は成長が続いており、世界市場への進出の動きも活発である。アニメ制作ツールや画像処理ソフトなどの技術進歩により、制作現場では労働集約的な手作業が減少し、海外への外注が増えるなど、業界のあり方は大きく変化しつつあるが、コンテンツの多様化や配信をはじめとする市場拡大に伴い、円滑で効率的な工程管理を行うことができる制作進行への人材需要は今後も大きいと見込まれる。業界団体を中心に、制作進行を含むアニメ人材育成のためのプロジェクトなども進められている。

アニメ制作進行管理の年収

アニメ制作進行管理の平均年収は529万円(令和7年賃金構造基本統計調査「その他の一般事務従事者」・全国)。中央値の目安は492万円、年収レンジは364〜900万円、上位10%は776万円です。

平均年収
529万円
中央値(目安)
492万円
最低年収の目安
364万円
未経験・20代前半
上位10%
776万円
最高年収の目安
900万円
トップ層
時給(一般労働者)
2,686円
短時間労働者 1,499円
最低賃金との比
2.3倍
全国加重平均 1,177円(2026年度)
求人賃金(月額)
22.2万円
前年度比 +0.8万円

あなたの年収は、同じ年代のアニメ制作進行管理の中で上位何%?

歳 万円

入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。

アニメ制作進行管理の時給2,686円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.3倍です。都道府県別の最低賃金 →

年代別の年収推定

20代
394万円
30代
468万円
40代
532万円
50代
589万円

平均年収と平均年齢(44.0歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。

経験年数別の年収推定

未経験
395万円
1〜3年
440万円
3〜5年
484万円
5〜10年
542万円
10年以上
609万円

雇用形態別の年収推定

正社員 529万円パート・アルバイト 222万円フリーランス・自営 555万円契約社員・派遣社員 412万円

年収の推移(統計の年ごと)

調査年年収就業者数有効求人倍率求人賃金(月額)
2021年440万円———
2022年437万円———
2023年478万円—0.36倍20.7万円
2024年481万円—0.35倍21.4万円
2025年529万円—0.34倍22.2万円

平均年収・中央値・上位10%の見かた →

アニメ制作進行管理の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定

現在529万円 → 3年後 562万円 → 5年後 586万円 → 10年後 650万円(10年後の予想レンジ 559〜755万円)。年率の伸びは+2.1%と見ています。

529万円
現在
2026年
562万円
3年後
2029年
519〜612万円
586万円
5年後
2031年
528〜653万円
650万円
10年後
2036年
559〜755万円

年率の伸びの内訳

賃金の基本の伸び +1.8%求人需要(人手不足) -0.43%求人賃金の勢い +0.68%AIの影響 +0.04%合計 +2.1%/年

将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →

アニメ制作進行管理の将来性スコア

47/100
★★☆☆☆
ふつう・全職業で348位
AI耐性
55点
年収水準
54点
求人需要
12点
賃金の勢い
73点
人手不足(平均年齢)
68点

各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。

アニメ制作進行管理のAI代替リスク

45%
中程度
AIに奪われにくい順で全職業中262位
非常に低い低い中程度高い非常に高い

AIによる仕事内容の変化

解説は準備中です。

AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →

アニメ制作進行管理の求人需要

有効求人倍率
0.34倍
全職業で463位
求人需要
低い
25/100
求人賃金(月額)
22.2万円
前年度比 +0.8万円
就業者数
—
国勢調査
平均年齢
44.0歳
労働時間
155時間/月
5年後の求人数
+3.4%
推定
10年後の求人数
+6.0%
推定

有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。

アメリカでは:プロデューサー・ディレクターの年収・将来性

アニメ制作進行管理に当たるアメリカの職業「プロデューサー・ディレクター」(米国の職業分類 27-2012)の年収の中央値は約1,421万円($90,360・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収529万円の2.7倍です。

日本:アニメ制作進行管理アメリカ:プロデューサー・ディレクター
年収(日本=平均・米国=中央値)529万円1,421万円
$90,360
上位10%776万円3,122万円
$198,540
10年後の予想年収650万円1,865万円
$118,600
将来性スコア4757
AI代替リスク45% 中程度58% 中程度
求人需要求人倍率 0.34倍雇用の増減予測 +4.0%
2025–35・BLS
就業者数—14.3万人
時給(平均)2,686円
最低賃金の2.3倍
8,492円
$54.00
連邦最低賃金の7.4倍
最低賃金1,177円
全国加重平均・2026年度
1,140円
連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり
入職に必要な学歴(米国)—学士号(大卒)

米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→

世界では:事務職の平均月収を国別に比べる

アニメ制作進行管理は国際標準職業分類で「事務職」に入ります。133か国・地域の事務職の平均月収を円に直すと、日本は月36万円で26位、1位はルクセンブルクの月129万円です。アメリカは月70.6万円で日本の2.0倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は21位です。

1. ルクセンブルク
129万円
2. スイス
106万円
3. ベルギー
101万円
4. デンマーク
95.4万円
5. アイスランド
87.2万円
7. ノルウェー
78.6万円
11. アメリカ
70.6万円
13. フランス
63.6万円
14. ドイツ
63万円
17. 韓国
55.5万円
20. イギリス
47.2万円
26. 日本
36万円

「事務職」全体の平均で、アニメ制作進行管理だけの値ではありません(一般事務・経理事務・営業事務、受付、データ入力、窓口など。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は45.1万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。事務職の世界ランキングを全部見る →

アニメ制作進行管理に必要なスキル・資格

必要資格

関連する資格はありません(資格が無くても就ける職業です)。

アニメ制作進行管理になるには(未経験からの方法)

就くには(job tag)

入職にあたって必須となる学歴や資格はない。アニメ制作会社(プロダクション)に入社して制作工程を支援・管理する部署に配置されるのが一般的である。制作進行の業務は事務的な仕事が中心であるので、採用に当たって絵を描くスキルは求められないことが多い。仕事を進める上でアニメ制作の工程全般を理解していることが必要になるため、専門学校等のアニメ関連学科で基礎知識を身につけておくと入職に有利である。入職後は先輩についてOJTを中心に仕事を覚えていくことが多い。
 制作進行はアニメ制作の仕事の入り口の一つであり、経験を積んで、さらに裁量が大きい仕事をめざす人が多い。作品全体の制作進行の責任者である制作デスクを経てプロデューサー業務に進む方向や、演出、脚本、監督などをめざす方向、管理・事務部門に進む道もある。現場をよく知り、人脈を広げることにより、自分の志向に応じたキャリアの展開が可能である。
 制作進行に必要な資質としては、まず、的確なスケジュール管理ができることである。厳しい日程の中で多くの部門とスタッフが連携しながら作業を積み重ねることから、全体を俯瞰しながら早めに必要な準備をすることが求められる。このためには、相手先の意向を尊重しつつ、こまめな気配りで人間関係を円滑に調整できるコミュニケーション能力、細かい点にもよく気がつき、状況を先読みできる力が必要である。制作スタッフが作業を進めやすいよう、正確な文書の作成、経費の管理など事務的スキルも重要である。また、アニメ作品は知的財産として厳重な情報管理が行われており、秘密保持などビジネスルールを守れることも求められる。

アニメ制作進行管理のキャリアルートと年収アップ方法

解説は準備中です。

年収・就業者数・労働時間・年齢・有効求人倍率は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っている公的統計(賃金構造基本統計調査・国勢調査・職業安定業務統計)の全国の値で、その職業が属する職業分類の統計です。将来予想年収・将来性スコア・AI代替リスクは仕事ずかんの予測モデルによる推定値で、保証するものではありません。 掲載内容の訂正のご依頼は、お問い合わせの「掲載内容の訂正の依頼」からご連絡ください。 データの見かた
出典:令和7年賃金構造基本統計調査「その他の一般事務従事者」、2025年度 職業安定業務統計(職業中分類「25 一般事務従事者」)(e-Stat、2026/11/01取得。統計の分類は job tag「職業分類対応表」による)、職業情報データベース(JILPT)・直近更新 2023。将来予想・スコア・年収レンジは仕事ずかんの推定。