自動車板金塗装

建設 職業分類:12_071-09 信頼度 ★★★★★

別名:自動車車体整備士、自動車板金塗装工、板金工(自動車修理業)、板金塗装工(自動車修理業)

自動車のフレームの損傷やボディのへこみ・きずを修復し(板金作業)、修復箇所を塗装する。

平均年収
504万円
レンジ 350〜851万円
最高年収の目安
851万円
上位10% 735万円
5年後の予想年収
598万円推定
2031年
10年後の予想年収
711万円推定
611〜825万円
将来性
67/100
★★★☆☆ 高い
AI代替リスク
24%
低い
求人需要
非常に高い
有効求人倍率 4.04倍

仕事内容

自動車のフレームの損傷やボディのへこみ・きずを修復し(板金作業)、修復箇所を塗装する。
 自動車の整備は、エンジンやブレーキ等の走行関連部位に対する「分解整備」とフレームやボディに対する「車体整備」に分かれ、自動車板金塗装では後者を担う。事故車の修理や少し擦ってしまった等の軽補修がメインであり、機能及び美観を限りなく元の状態に回復させることを目的とする。また、顧客の要望に応じてさまざまなパーツを取り付けたり塗装するカスタマイズや、何十年も前の自動車を蘇らせるレストアを行うこともある。
 板金作業においてフレームの損傷が見られる場合、フレーム修正機という大型の装置に載せ油圧をかけて修復する。ボディのへこみについては、ハンマーと当て板で押し叩く、スライドハンマー で引き出す等の手法により大まかな成形を行い、パテ塗り と研磨で表面をなめらかにする。作業の過程で、必要なパーツの脱着、溶接や交換を行う。
 塗装作業は塗装ブース内で行う。これは、塗装面にほこりを付着させず、周囲に塗料を飛散させないためのもので乾燥機を兼ねることも多い。マスキング と下塗りの後、調色した塗料をスプレーガンで吹き付け、仕上げに表面を磨いてつやを出す。塗料の調色について、例えば自動車メーカーAと自動車メーカーBの赤色は微妙に異なっており、基本となる色データが公開されているものの、微調整には技量を要する。
 事故車等の様相は千差万別であるため、1台1台の状況に応じて適切な修復方法を使い分ける必要がある。また、車体整備は美観の問題でもあり分解整備のような性能基準値が存在しないため、仕上がりの良し悪しの受止め方に個人差が生じがちな難しさがある。
 上記に述べたのはいわゆる修復の本体作業であるが、顧客から車体整備工場に自動車が持ち込まれた際、最初に行うのは車体の状況の見極めである。そして、修理するか廃車にするか、修理する場合は板金でやるかパーツの交換か、カスタマイズやレストアであればその内容等について、顧客に提示し、見積もりを行い、支払い方法などについて説明する。
 自動車板金塗装の仕事を行う上で大切なのは、第一に、車に乗る人の安心・安全を守ることであり、そのために道路運送車両法等の法令を遵守することである。納車の際に顧客から「きれいにしてくれてありがとう」と言われたり、何日もかかる大がかりな修復を経て見違えた車体を目にした時に達成感を感じる人が多い。

◇よく使う道具、機材、情報技術等
 ハンマー、当て板、スライドハンマー、一般的な工具(ドライバー、スパナ、ペンチ、レンチ等)、フレーム修正機、ジャッキ、溶接機、パテ、ヘラ、研磨のための機械・道具(ベルトサンダー、紙やすり、コンパウンド等)、下地材、塗料、溶剤、スプレーガン、扇風機、パネルヒーター、防護マスク、手袋

主なタスク

雇用形態(働いている人の割合)

労働条件の特徴

勤務先は全国各地の車体整備工場である。ディーラー系を始めとして比較的規模の大きな事業所もあるが、家族経営または従業員数名程度の小規模事業所が多数存在する。
 一部、空調環境のない工場においては、暑さ寒さに悩まされることがある。また、塗装時に有機溶剤を用いるため、防護マスクの着用や定期的な特殊健康診断の受診等が必須である。重量物を運ぶ・持ち上げる際には専用の機材があるので、特に力が必要な仕事ではない。
 就業者は圧倒的に男性が多いが、女性も少しずつ増加傾向にある。業界全体で高齢化が進んでおり、就業形態は正社員が大半である。賃金や労働時間、休日等は勤務先の規定による。日勤が一般的であり、長期休暇の前後や降雪後に多忙となることが多い。
 従来、分解整備を行わない車体整備工場には特段の基準なく、無認証で運営することができた。しかし、レーダー、カメラ、センサー等の電子制御装置の普及に対応し安全性を確保する観点から、2020年より、電子制御装置整備をその対象に含む自動車特定整備制度が開始されている。これにより、電子制御装置整備を行おうとする車体整備工場においても、設備や工員等の基準(例えば、整備主任者の要件として「1級自動車整備士」または「2級自動車整備士や自動車車体整備士等+一定の講習」)を満たした上で認証の取得が必要となった。また、政府は、2035年までに乗用車の新車販売を全て電動車とする方針を打ち出しており、このことによっても、自動車整備のあり方は劇的な変化を迎えることとなる。
 いずれにしろ、この変革期において、新技術に関する知識を吸収しなければ業務を行うことができなくなりつつあり、自ら勉強に取り組むとともに、業界団体がホームページに情報をまとめたり講習会を設ける等の動きもある。
 「ぶつかりにくい車」の進化により、将来的に自動車板金塗装の需要が減少する予測もある。一方、「決してぶつからない車」は存在せず、カスタマイズ等の要望も増えていることから、自動車板金塗装の職種がなくなることはないと考えられる。

自動車板金塗装の年収

自動車板金塗装の平均年収は504万円(令和7年賃金構造基本統計調査「自動車整備・修理従事者」・全国)。中央値の目安は469万円、年収レンジは350〜851万円、上位10%は735万円です。

平均年収
504万円
中央値(目安)
469万円
最低年収の目安
350万円
未経験・20代前半
上位10%
735万円
最高年収の目安
851万円
トップ層
時給(一般労働者)
2,320円
短時間労働者 1,527円
最低賃金との比
2.0倍
全国加重平均 1,177円(2026年度)
求人賃金(月額)
26.2万円
前年度比 +0.9万円

あなたの年収は、同じ年代の自動車板金塗装の中で上位何%?

歳 万円

入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。

自動車板金塗装の時給2,320円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.0倍です。都道府県別の最低賃金 →

年代別の年収推定

20代
393万円
30代
465万円
40代
527万円
50代
583万円

平均年収と平均年齢(40.6歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。

経験年数別の年収推定

未経験
378万円
1〜3年
420万円
3〜5年
462万円
5〜10年
516万円
10年以上
579万円

雇用形態別の年収推定

正社員 504万円パート・アルバイト 212万円フリーランス・自営 529万円契約社員・派遣社員 393万円

年収の推移(統計の年ごと)

調査年年収就業者数有効求人倍率求人賃金(月額)
2021年454万円———
2022年469万円———
2023年488万円—4.21倍24.6万円
2024年513万円—4.13倍25.3万円
2025年504万円—4.04倍26.2万円

平均年収・中央値・上位10%の見かた →

自動車板金塗装の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定

現在504万円 → 3年後 559万円 → 5年後 598万円 → 10年後 711万円(10年後の予想レンジ 611〜825万円)。年率の伸びは+3.5%と見ています。

504万円
現在
2026年
559万円
3年後
2029年
516〜608万円
598万円
5年後
2031年
539〜666万円
711万円
10年後
2036年
611〜825万円

年率の伸びの内訳

賃金の基本の伸び +1.8%求人需要(人手不足) +1.0%求人賃金の勢い +0.62%AIの影響 +0.2%合計 +3.5%/年

将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →

自動車板金塗装の将来性スコア

67/100
★★★☆☆
高い・全職業で46位
AI耐性
76点
参入障壁
69点
年収水準
47点
求人需要
92点
賃金の勢い
63点
人手不足(平均年齢)
17点

各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。

自動車板金塗装のAI代替リスク

24%
低い
AIに奪われにくい順で全職業中111位
非常に低い低い中程度高い非常に高い

AIによる仕事内容の変化

解説は準備中です。

AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →

自動車板金塗装の求人需要

有効求人倍率
4.04倍
全職業で41位
求人需要
非常に高い
85/100
求人賃金(月額)
26.2万円
前年度比 +0.9万円
就業者数
—
国勢調査
平均年齢
40.6歳
労働時間
166時間/月
5年後の求人数
+21.4%
推定
10年後の求人数
+38.5%
推定

有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。

アメリカでは:自動車の板金・塗装工の年収・将来性

自動車板金塗装に当たるアメリカの職業「自動車の板金・塗装工」(米国の職業分類 49-3021)の年収の中央値は約863万円($54,890・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収504万円の1.7倍です。

日本:自動車板金塗装アメリカ:自動車の板金・塗装工
年収(日本=平均・米国=中央値)504万円863万円
$54,890
上位10%735万円1,383万円
$87,940
10年後の予想年収711万円1,181万円
$75,100
将来性スコア6753
AI代替リスク24% 低い24% 低い
求人需要求人倍率 4.04倍雇用の増減予測 +3.7%
2025–35・BLS
就業者数—14.9万人
時給(平均)2,320円
最低賃金の2.0倍
4,403円
$28.00
連邦最低賃金の3.9倍
最低賃金1,177円
全国加重平均・2026年度
1,140円
連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり
入職に必要な学歴(米国)—高卒

米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→

世界では:技能工の平均月収を国別に比べる

自動車板金塗装は国際標準職業分類で「技能工」に入ります。133か国・地域の技能工の平均月収を円に直すと、日本は月32.7万円で29位、1位はベルギーの月101万円です。アメリカは月84.6万円で日本の2.6倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は26位です。

1. ベルギー
101万円
2. デンマーク
100万円
3. スイス
99.9万円
4. アイスランド
96.4万円
5. ノルウェー
92.7万円
8. アメリカ
84.6万円
12. フランス
67.9万円
14. ドイツ
65.1万円
15. イギリス
61.6万円
21. 韓国
45.2万円
28. シンガポール
33万円
29. 日本
32.7万円

「技能工」全体の平均で、自動車板金塗装だけの値ではありません(大工・左官・電気工事士などの建設の職人、溶接工・板金工・整備士、食品・製品づくりの職人など。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は39.3万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。技能工の世界ランキングを全部見る →

自動車板金塗装に必要なスキル・資格

必要スキル

修理
4.4
道具、機器、設備の選択
4.0
傾聴力
4.0
説明力
3.8
クオリティチェック
3.8
故障等の原因特定
3.1
読解力
3.1
時間管理
3.1

job tag のスキルのレベル(就業者の調査)。

必要な知識

機械
2.3
顧客サービス・対人サービス
2.3
事務処理
2.2
販売・マーケティング
1.9
生産・加工
1.8
輸送
1.7
経済学・会計学
1.7
工学
1.7

仕事の中身(よく行う活動)

クオリティを判断する手と腕を使って物を取り扱い動かす法律や規定、基準を適用する仕事に関連する知識を更新し、活用する乗り物を運転・操縦する継続的に状況を把握する仕事を整理、計画する、優先順序を決める設備、構造物、材料を検査する

必要資格

job tag の「関連資格」。必須の資格か推奨の資格かは「就くには」の文で確かめてください。

学歴(働いている人の割合)

入職前の訓練期間

入職前の実務経験

なる難しさ:★★★☆☆ ふつう(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)

自動車板金塗装になるには(未経験からの方法)

就くには(job tag)

入職にあたって必須となる学歴や資格はない。新卒の場合、専門学校の車体整備科やオートボディ科の卒業生等が考えられるが、全体としては中途採用の比率が大きい。中途採用の場合、分解整備工場からの転職のほか、ハローワークや民間の求人情報サイト、職業訓練施設等を通じた異業種からの入職もある。「若者のクルマ離れ」もあいまってか、分解整備を含め、自動車整備業界は慢性的な人材不足の傾向にある。
 入職後は指導役についてOJTで業務を習い、数年でひととおりの知識・スキルを身につけるが、美観を取り扱う業務の性格上、本人のセンスに左右される部分も大きい。その後、比較的規模の大きな事業所においては、新人の指導を任されたりマネジメントへと進むキャリアパスもある。
 自動車整備に関する資格として、国土交通省所管の国家資格である「自動車整備士」があり、「1級自動車整備士」、「2級自動車整備士」、「3級自動車整備士」、「特殊整備士」に分類される。「特殊整備士」の一つである「自動車車体整備士」は、自動車板金塗装の知識・技能を証する資格であり、専門性のアピールや顧客からの信頼獲得に役立つことがある。
 その他、厚生労働省の技能検定である「塗装技能士(金属塗装作業)」や、「溶接技能者(アーク溶接) 」、「溶接技能者(ガス溶接 )」、「有機溶剤作業主任者」、「危険物取扱者(乙種第4類)」等、いずれも必須ではないが関連資格は多岐にわたる。
 向いているのは、几帳面で勉強熱心な人、顧客の満足度を大切に考えることができる人である。必須の要件ではないが、実態として車好きな人が多い。車に乗る人の安心・安全を守ることにこだわり、自らの仕事が日本の社会インフラの一翼を担っていることに矜持を持てる人材が求められている。

自動車板金塗装のキャリアルートと年収アップ方法

解説は準備中です。

年収・就業者数・労働時間・年齢・有効求人倍率は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っている公的統計(賃金構造基本統計調査・国勢調査・職業安定業務統計)の全国の値で、その職業が属する職業分類の統計です。将来予想年収・将来性スコア・AI代替リスクは仕事ずかんの予測モデルによる推定値で、保証するものではありません。 掲載内容の訂正のご依頼は、お問い合わせの「掲載内容の訂正の依頼」からご連絡ください。 データの見かた
出典:令和7年賃金構造基本統計調査「自動車整備・修理従事者」、2025年度 職業安定業務統計(職業中分類「55 機械整備・修理従事者」)(e-Stat、2026/11/01取得。統計の分類は job tag「職業分類対応表」による)、職業情報データベース(JILPT)・直近更新 2023。将来予想・スコア・年収レンジは仕事ずかんの推定。