電子機器技術者
別名:電子機器生産技術者、電子機器設計技術者
携帯電話、テレビ、パソコンから産業用の各種機器・装置等までの電子機器の開発、設計及び製造工程の技術開発、管理を行う。
仕事内容
電子機器技術者が扱う電子機器は生活に密着した、携帯電話等の通信機器やテレビ、パソコンなどから、産業用の制御装置、通信装置、自動化装置等多岐にわたる。
電子機器の製品化は、一般的に技術開発、製品設計、製造・組立という流れで行われる。技術者が担当するのは技術や製品の開発・設計がメインの業務であるが、製造現場で効率よく生産ができるように、作業工程の管理・改善や作業員に対する技術的な指導を行ったり、製造工程で不都合が発生した場合には設計や工程の変更など必要な改良を行う。このほか、特許出願を技術者の業務としている企業もある。
電子機器技術者の業務を一般消費者向けの液晶テレビの製造の例でみると、まず市場調査などの結果をもとに、ユーザビリティ(使いやすさ)に配慮した新製品の企画を立案し、開発計画を立てる。次いで、キーデバイスであるLSI(大規模集積回路)の高集積化、液晶の低消費電力化や高機能化など、仕様に合わせた部材の開発を進める。液晶の製造と並行して、電子工学などの専門的な知見・知識、映像に関する技術やスピーカーなどの音声に関する技術を駆使して必要な部品を製造し、これらの部品を組み立てて、新製品の試作品をつくる。試作品について耐久性などのテストを行い、本生産のための設計図を引き、生産ラインを整備、作業員の教育などを経て商業生産に入るという流れになる。製品の発売後も、現行製品に対する利用者からの意見を収集して、改良や新製品開発を行う。
また、産業用に使用されるインバータの例でもみてみる。インバータはモーターの回転数を変えられるため工場内の生産設備、ビルの空調設備、エレベータ等産業用に、また、ハイブリッド車、電気自動車等民生用にも、様々な場面で幅広く利用されている。業務の大きな流れは、テレビと大差はないが、産業用の場合は、顧客企業等からの製品のスペック、機能等への要望に対応して開発が進められる場合が多い。顧客が業界を牽引する企業等であれば、その開発成果が業界標準になる場合もある。技術者はインバータに内蔵するプリント基板、パワー半導体(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)、操作パネル、冷却フィン等を小型化、省エネルギー化といった課題にも応えられるようにハードウェアを設計する。海外での販売、使用を想定し海外規格への対応等も考慮する。同時に制御等のソフトウェアに関わる技術者が精緻で高度な制御を実現するプログラム等を開発する。このようにハードウェアの技術者とソフトウェアの技術者がそれぞれに技術開発を進めつつ連携して一つの製品に仕上げていく。新技術等を取り込んだ試作品が完成すると連続運転や様々な環境下での耐久性、信頼性の評価等を行う。そこで把握された不備や障害を分析の上、解決し、製品の量産を行う。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン
主なタスク
- 試作品をつくり、性能や耐久性などのさまざまな試験をする。(実施率 1%)
- 機器やシステムの図面、回路図、立体図を作成する。(実施率 1%)
- 試作品の試験結果から修正を行い、製造用の設計図を作成する。(実施率 1%)
- 開発した製品が顧客の要求に合致しているか評価する。(実施率 1%)
- 製品、システムを開発・設計するための技術的スケッチや仕様書を作成する。(実施率 1%)
- 製造工程での不具合の原因を調査し、改善する。(実施率 1%)
- 製品の原価を算出する。(実施率 1%)
- 現行の製品に対する利用者からの意見を収集し、改良や新製品開発をする。(実施率 1%)
- 設計に基づき、コンピュータ上でシミュレーションを行う。(実施率 1%)
- 製造現場で作業員に対して技術的な指導をする。(実施率 1%)
- 市場調査などの結果をもとに新製品の企画を立案する。(実施率 1%)
- 開発製品が他社等の特許に抵触しないか調査する。(実施率 1%)
雇用形態(働いている人の割合)
労働条件の特徴
大手企業の場合、雇用形態は正社員がほとんどである。就業者は男性が多いが女性も増加傾向にある。
賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。自分の研究開発や実験の進捗状況に合わせて勤務時間を調整できるようフレックスタイム制を導入しているところが多い。研究開発した技術や製品について特許を出願し、それが実用化されて企業に利益をもたらした場合に、技術者に報奨金を出す企業もある。
最近の傾向として、例えば、自動車メーカーが自動運転時代の到来を見据えてセンサーやそこから得られる信号を処理するための電子回路の研究を進めていたり、流通や運輸さらには農業・畜産などの分野でもIoT化を進めている。こうした動きの中、電子機器技術者は、従来の電気・電子製品メーカー以外にも様々な業種で需要が高まっている。
電子機器技術者の年収
電子機器技術者の平均年収は704万円(令和7年賃金構造基本統計調査「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」・全国)。中央値の目安は655万円、年収レンジは453〜1,268万円、上位10%は1,080万円です。
あなたの年収は、同じ年代の電子機器技術者の中で上位何%?
入れた年齢・年収は送信・保存しません(この画面の中だけで計算)。同年代の分布は、この職業の年収の分布と年代別の年収(賃金構造基本統計調査の年齢による差から推計)から出しています。
電子機器技術者の時給3,352円は、最低賃金(全国加重平均1,177円・2026年度)の2.8倍です。都道府県別の最低賃金 →
年代別の年収推定
平均年収と平均年齢(42.1歳)から、賃金構造基本統計調査の年齢階級別賃金の形に合わせて推計。
経験年数別の年収推定
雇用形態別の年収推定
年収の推移(統計の年ごと)
| 調査年 | 年収 | 就業者数 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 611万円 | — | — | — |
| 2022年 | 644万円 | — | — | — |
| 2023年 | 688万円 | — | 1.95倍 | 28.6万円 |
| 2024年 | 755万円 | — | 2.01倍 | 29.9万円 |
| 2025年 | 704万円 | — | 1.88倍 | 30.8万円 |
電子機器技術者の将来予想年収(3年後・5年後・10年後)推定
現在704万円 → 3年後 751万円 → 5年後 784万円 → 10年後 873万円(10年後の予想レンジ 751〜1,013万円)。年率の伸びは+2.2%と見ています。
年率の伸びの内訳
将来予想年収 = 現在の年収 ×(1+年率の伸び)^年数。年率の伸びは、賃金の基本の伸び率に、有効求人倍率・求人賃金の前年差・AI代替リスクを足し引きして職業ごとに決めています。予測は保証ではありません。計算のしかた →
電子機器技術者の将来性スコア
各要素は全職業の中での順位(0〜100)。配点:求人需要25・賃金の勢い15・年収水準15・AI耐性25・人手不足10・参入障壁10。
電子機器技術者のAI代替リスク
AIによる仕事内容の変化
解説は準備中です。
AI代替リスクは、job tag の調査データ(仕事の性質・仕事の内容・スキル・知識)から、AI・ソフトウェアに置き換わりやすい要素と置き換わりにくい要素を比べて、全職業の中での相対的な位置を 0〜100% にした推定値です。考えかた →
電子機器技術者の求人需要
有効求人倍率が1倍を超えると、求職者より求人の方が多い(人手不足)状態です。求人数の予測は、求人倍率・求人賃金の勢い・AI代替リスクからの推定です。
アメリカでは:電子エンジニアの年収・将来性
電子機器技術者に当たるアメリカの職業「電子エンジニア」(米国の職業分類 17-2072)の年収の中央値は約2,048万円($130,220・1ドル157.25円で換算)。日本の平均年収704万円の2.9倍です。
| 日本:電子機器技術者 | アメリカ:電子エンジニア | |
|---|---|---|
| 年収(日本=平均・米国=中央値) | 704万円 | 2,048万円 $130,220 |
| 上位10% | 1,080万円 | 3,254万円 $206,960 |
| 10年後の予想年収 | 873万円 | 2,676万円 $170,200 |
| 将来性スコア | 58 | 54 |
| AI代替リスク | 63% 高い | 59% 中程度 |
| 求人需要 | 求人倍率 1.88倍 | 雇用の増減予測 +3.7% 2025–35・BLS |
| 就業者数 | — | 9.7万人 |
| 時給(平均) | 3,352円 最低賃金の2.8倍 | 10,378円 $66.00 連邦最低賃金の9.1倍 |
| 最低賃金 | 1,177円 全国加重平均・2026年度 | 1,140円 連邦 $7.25。州ごとにもっと高い額あり |
| 入職に必要な学歴(米国) | — | 学士号(大卒) |
米国のデータは BLS(労働統計局)の OEWS と雇用予測、O*NET。米国の金額は1ドル157.25円で円に換算(為替は毎日更新)。日本は平均値・米国は中央値で、調査の職業の範囲も違うため、目安として見てください。アメリカの職業のくわしいデータ(英語)→
世界では:専門職の平均月収を国別に比べる
電子機器技術者は国際標準職業分類で「専門職」に入ります。133か国・地域の専門職の平均月収を円に直すと、日本は月42.6万円で36位、1位はルクセンブルクの月183万円です。アメリカは月136万円で日本の3.2倍。物価の違いをならした購買力平価では、日本は35位です。
「専門職」全体の平均で、電子機器技術者だけの値ではありません(医師・看護師・薬剤師、エンジニア・プログラマー、教員、弁護士・会計士、記者・デザイナーなど。)。日本は賃金構造基本統計調査のきまって支給する現金給与額(賞与を含まない月の額。賞与込みの月平均は52.9万円)、ほかの国は ILO の統計(各国の最新年)を今日の為替で円に換算。専門職の世界ランキングを全部見る →
電子機器技術者に必要なスキル・資格
必要スキル
job tag のスキルのレベル(就業者の調査)。
必要な知識
仕事の中身(よく行う活動)
必要資格
関連する資格はありません(資格が無くても就ける職業です)。
学歴(働いている人の割合)
入職前の訓練期間
入職前の実務経験
なる難しさ:★★★★★ 難しい(学歴・訓練期間・実務経験・資格から)
電子機器技術者になるには(未経験からの方法)
就くには(job tag)
電子機器メーカーに新卒で就職した場合は、新卒研修を手始めに、社内や現場で様々な研修を受ける。キャリアパスとしては、技術者から開発チームのリーダー等を経て管理職となり、マネジメントに進む場合と技術者としての専門性を高めスペシャリストとなる場合がある。
数的処理能力、新製品開発のアイデアを企画書としてまとめる能力、生産管理におけるリーダーシップや協調性、多岐にわたる社内外のパートナーと的確な意思疎通を図るためのコミュニケーション能力も求められる。協業先が海外の場合には、英語でのコミュニケーション能力が必要となる。英文資料等を読むため英語の読解力も必須である。企業間の技術開発競争が激しいので、速く、効率よく、しかも新しい発想のものを作ることを要求される。製品開発意欲があり、アイデアや創造性豊かな人が力を発揮できる。物理、数学など、理数系が得意で、機器の構造に強く、分析力があり、好奇心旺盛で探究心があることが望まれる。困難にぶつかっても諦めない粘り強さも重要である。
電子機器技術者のキャリアルートと年収アップ方法
解説は準備中です。